地域医療支援で協業強化【三菱商事とメディパルHD】
顧客基盤を中小病院・クリニックまで拡張
三菱商事(社長=中西勝也氏、東京都千代田区)とメディパルホールディングス(社長=渡辺秀一氏、東京都中央区)は、ヘルスケア領域を軸とした包括的な業務提携契約を締結した。医療用医薬品卸を中核とするメディパルの流通ネットワークと、三菱商事の産業知見・グローバルネットワークを掛け合わせ、地域医療を支える供給体制を強化する。
両社は提携の背景として、高齢化の進展や医療費の増加に加え、医療人材不足の深刻化、原薬の海外依存による国内医薬品供給の不安定化など、日本の医療を取り巻く環境が大きな変革期にあることを挙げる。予防・未病の観点からのセルフケア意識の高まりも進んでおり、ヘルスケア領域での新たな価値創出も求められている。
こうした課題に対応するため、両社は調達・物流から運営支援に至る一連のプロセスを最適化することに加え、製薬支援(ファーマサービス)、生活者によるセルフケア・セルフチェック、予防・未病サービスの展開、ヘルスケアデータの活用など、医療・健康分野を横断した取り組みを進める。
提携にあわせ、両社がこれまで80対20の比率で出資してきたエム・シー・ヘルスケアホールディングス(社長=鈴木裕氏、東京都港区)についても、出資比率をそれぞれ50%とする体制へ移行した。三菱商事とメディパルは共同経営パートナーとして3社一体の経営体制を敷き、同社の企業価値向上に取り組む。
今回の提携の核となるのが、医療機関の経営効率化支援と、医薬品・医療資機材の安定供給体制の一層の強化だ。メディパルグループが医薬品卸事業で培ってきた医療機関との関係基盤に、三菱商事の産業知見・グローバルネットワークを掛け合わせ、エム・シー・ヘルスケアホールディングスの顧客基盤を大病院から中小病院・クリニックまで拡張する。
これにより、これまで以上に医薬品の知見と物流ネットワークを活用し、人材不足やコスト増に直面する医療機関の経営効率化を後押しする。あわせて、原薬の海外依存による供給不安が指摘されるなか、地域医療を支える医薬品・医療資機材の安定供給体制を一層強化することで、持続可能な地域医療インフラの構築に貢献するとしている。
両社は2005年9月に締結した医療ビジネスにおける業務提携をもとに長年パートナーシップを築いてきており、今回の提携はその対象をヘルスケア分野で一段と深化させたうえで、食・日用品分野にも協業領域を広げる形となる。あわせて、両社それぞれの子会社である三菱食品とPALTACによる物流協働の取り組みも拡張し、人材交流を通じた相互理解・人材育成も進めていく。