企業活動

米レオ・キャンサー・ケア社と技術協力締結【住友重機械工業】

立位型陽子線治療システム開発へ

立位型陽子線治療システムのイメージ

住友重機械工業(社長=下村真司氏、東京都品川区)は、米国レオ・キャンサー・ケア社(ウィスコンシン州)と立位型陽子線治療システムに関する技術協力を締結した。住友重機械工業の回転ガントリーを利用した陽子線治療システムに加え、超電導サイクロトロンを、レオ・キャンサー・ケア社が開発した立位型位置決めシステムと組み合わせた新たな陽子線治療システムの実現を目指す。

従来の陽子線治療では患者は寝台に寝た状態で治療を受けていたが、立位型陽子線治療システムでは患者は立った姿勢、あるいは座った姿勢で受けることができる。

これまでの陽子線治療システムと比較すると、設置に必要なスペースや導入コストを大幅に低減することに加え、立位姿勢による患者の快適性向上と患者位置決め精度の向上、陽子線アーム照射の導入が期待できる。

住友重機械工業産業機器事業部の日朝俊一部長は「レオ・キャンサー・ケア社との技術協力により、新たな陽子線治療システムが実現すれば、陽子線治療はより身近で患者に優しい治療法となり、医療用加速器を通じて、がん治療の質と量を向上させるという当社の使命を果たすことができる」とコメントしている。

レオ・キャンサー・ケア社のスティーブン・トウCEOは「住友重機械工業とのパートナーシップは、単なる技術連携にとどまらず、患者のためのもの。私たちの立位型ソリューションと住友重機械工業の小型サイクロトロンを組み合わせることで、多くの方々が恩恵を受けられる陽子線治療の実現に向け、大きな一歩を踏み出します」と述べている。