グローバル臨床研究を加速【キヤノンメディカルシステムズ】
フォトンカウンティングCT実用化へ
キヤノンメディカルシステムズ(社長=瀧口登志夫氏、栃木県大田原市)は、次世代の画像診断機器として期待されるフォトンカウンティングCT(PCCT)の実用化に向け、国内外におけるグローバルな臨床研究を加速させる。
PCCTの臨床研究は、4月に国立がん研究センター先端医療開発センター(センター長=土井俊彦氏)、同センター東病院(病院長=大津敦氏、千葉県柏市)と臨床研究法に基づくPCCTの特定臨床研究を開始した。
また、広島大学(学長=越智光夫氏、広島県東広島市)とオランダのラドバウド大学メディカルセンターと、それぞれPCCTを活用した共同臨床研究に関する基本合意書を締結。2024年初旬から臨床評価を開始し、早期の実用化を目指していく。
グローバル臨床研究を加速させるため、11月1日に広島大学と、11月14日にラドバウド大学メディカルセンターと、PCCTの実用化に向けた共同研究を開始することで合意した。
広島大学では同大学院医系科学研究科放射線診断学研究室の粟井和夫教授が中心となり、画像診断におけるPCCTの有用性について臨床評価を行う。
ラドバウド大学メディカルセンターでは放射線科のマティス・プロコップ教授が中心となり、同じくPCCTの有効性についての臨床評価を行う。
今後もキヤノンメディカルシステムズでは世界の様々な医療施設と次世代PCCTの実用化に向けた共同研究を精力的に進め、開発を加速していく。
PCCTは従来のX線CTに比べ、複数のエネルギー収集を可能とする次世代型検出器(フォトンカウンティング検出器)を搭載した画像診断装置。従来装置に比べ、複数の物質構成を特定することができ、定量性に優れた画像を提供し診断精度の向上が期待されている。
また、高分解能化により臓器の病変部検出能が向上し、従来装置を超える被ばく線量低減も見込まれる。これらの可能性から大幅な臨床価値向上を秘めた次世代装置として、期待されている。