メディカルシステム事業を体制強化【富士フイルム】
事業戦略立案、研究開発機能を集約
富士フイルム(社長兼CEO=後藤禎一氏、東京都港区)は、メディカルシステム事業のさらなる体制強化に向け、国内グループ会社を再編する。メディカルシステム事業に関わる国内グループ会社を機能軸で再編成し、事業戦略立案や研究開発、販売・保守サービスの各機能をさらに強化する。再編完了時期は2024年夏を予定している。
国内グループ会社再編によるメディカルシステム事業体制強化の内容は、富士フイルムと富士フイルムヘルスケアがそれぞれ有する事業戦略立案・研究開発機能を、富士フイルムに集約する。
同社グループの画像処理技術やAI技術などの高度な技術と知見を融合し、製品・サービスのさらなる高付加価値化を図るとともに、研究開発から製品の市場導入や事業化までのスピードを加速させ、医療現場のニーズに応える製品・サービスの迅速導入を推進する。
また、富士フイルムヘルスケアが持つ国内販売機能を、医療機器などの国内販売会社である富士フイルムメディカルに集約する。
さらに、富士フイルムヘルスケアの子会社である富士フイルムヘルスケアシステムズを、富士フイルムメディカルの子会社であり医療機器の設置や保守サービスなどを担う富士フイルムメディカルサービスソリューションへ統合し、保守サービス機能を集約する。販売・保守サービスの知見やノウハウを融合し、医療機関への総合提案力や顧客サポート力を一層、高めていく。
これまで、富士フイルムは中期経営計画「VISION2023」の下、重点事業分野の1つであるヘルスケアの成長戦略を進めている。
メディカルシステム事業では、医療ITソリューションを事業の中核に据え、世界でトップシェアを誇る医用画像情報システム「SYNAPSE」を基盤に、X線画像診断装置や内視鏡など各製品群を連携させることで、質の高い診断ソリューションをグローバルに提供している。
2021年3月には日立製作所の画像診断関連事業を買収し、富士フイルムの100%子会社として富士フイルムヘルスケアを発足させた。富士フイルムグループが持つ技術・製品などを活かして、医療現場のニーズに応えるワンストップソリューションを展開している。
21年10月には国内生産会社2社を統合して、医療機器の生産機能を集約させた。生産のリードタイム短縮とコストダウンを図るなど、シナジー創出による成長戦略を促進している。