企業活動

ベトナム人医師の育成へ【オリンパス】

内視鏡AI診断システムの普及

オリンパス(社長=竹内康雄氏、東京都新宿区)は、内視鏡医が不足するベトナムでの内視鏡診断普及のため、総務省プロジェクト「ベトナムにおける高精細映像技術を活用した内視鏡およびAI診断支援システムの国際展開に向けた調査研究」の事業推進者として参画した。

これまでも同社では2年前にインド、昨年にタイを対象とした内視鏡AI診断の普及実証に向けた総務省プロジェクトに参画している。

3度目となる今回は2022年11月から23年3月にかけてベトナムを代表する医療機関のチョーライ病院および108病院で、サイバネットシステムの協力ものと、AI搭載の内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN―EYE」の機能評価を行い、現地の医療環境における有用性や普及の可能性を実証する。

さらに、同プロジェクトの協力機関である昭和大学横浜市北部病院、静岡がんセンターの医師が講師となり、現地の複数の医療機関のベトナム人医師に、EndoBRAIN―EYEを用いた大腸内視鏡のトレーニングを実施し、AI診断支援システムを活用できる指導医の育成を支援する。

11月28日に行われたキックオフ会議で、チョーライ病院のホー・ダン・クイ・ユン医師(ベトナム消化器内視鏡学会会長)は「AIは内視鏡検査の質を向上させ効率的にする強力な新技術で、近い将来、AIは消化器内視鏡分野で大きなブレイクスルーとなると強く感じている。このAI内視鏡という分野について日本の専門家とともに取り組める機会を得ることを望んでいる」と述べた。

また、昭和大学横浜市北部病院の工藤進英教授は「この日本とベトナムによる協同プロジェクトがAI技術の普及のみならず、両国のパートナーシップの強化に寄与し素晴らしい実証結果につながることに期待する」とコメントしている。