医療用ガウンを一貫生産【帝人フロンティア】
愛媛・松山に20億円投じ工場を新設
帝人フロンティア(社長=平田恭成氏、大阪市北区)は、医療用ガウンの有事における急激な需要拡大への対応や長期にわたる安定的な供給を図ることを目的に、帝人グループ国内最大規模の事業所である松山事業所(愛媛県松山市)内に、医療用ガウンの一貫生産工場を新設する。投資額は約20億円。
新工場は不織布から製品までの一貫生産を可能にする自動化設備を備えた工場となり、不織布製造とラミネート加工からなる生地生産設備や自動縫製設備が設置される。
縫製工程を自動化することで、医療用ガウンを縫製する一般的な工場に比べ、人員一人あたりの生産性が約7~10倍に高まり、配置人員の少数化を可能にするとともに、人と人との接触を避けた工場運営ができ、昨今のコロナ禍のような有事の際も生産・供給の継続を可能にする。
新工場での医療用ガウンの生産は2022年12月から開始する予定で、生産予定数は22年度に200万着、25年度に600万着を計画している。
生産する医療用ガウンはポリエステル素材をはじめ多様な素材の使用に対応。ポリエステル素材には環境に配慮したリサイクル原料を使用し、将来的には販売した医療用ガウンを着用後に回収し、製品までリサイクルするシステムの構築をめざす。
さらに、不織布へのラミネート加工やシームレス縫製を採用し、高い防御性能を有するAAMI(米国医療機器振興協会)レベルに準じた医療用ガウンが生産できる。