「眼科手術支援ロボ」普及へ【ニプロ】
リバーフィールドと国内独占販売契約
ニプロ(社長=佐野嘉彦氏、大阪市北区)は、リバーフィールド(社長=只野耕太郎氏、東京都新宿区)と同社が開発中の術者に第三の手を与える「眼科手術支援ロボット」の日本国内での独占販売契約を締結した。
眼科手術支援ロボットは眼球内を直接観察できる眼内内視鏡や、眼内照明ライトガイドを把持するロボットシステム。ロボットを使用することにより、術者は両手を手術鉗子の保持に使え、かつ長時間の手術でも内視鏡画像やライト照射点が揺れることなく安全な手術が可能になる。
リバーフィールドは国産手術支援ロボット開発をめざして2014年に設立された東京工業大学と東京医科歯科大学発のスタートアップ企業。
15年に内視鏡把持ロボット「EMARO」を上市以来、現在も複数の手術支援ロボットを開発中で、22年中には次世代内視鏡把持ロボット、23年1月には鉗子先端に係る力を術者にリアルタイムに伝える力覚提示が可能な手術支援ロボットの上市をめざしている。
眼科手術支援ロボットの開発は、17年に日本医療研究開発機構(AMED)の「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業」に採択され、九州大学大学院医学研究院眼科学の園田康平教授と、東京工業大学未来産業技術研究所、リバーフィールドの3者共同で開発・上市化を進めていた。
なお、ニプロでは同ロボットの販売に向けて子会社の町田製作所で、同ロボットに使用する眼内内視鏡などの開発・設計にも取り組んでいく。