遠隔医療領域のビジネス展開を加速【フィリップス】
インテグリティ・ヘルスケアとの提携を拡大
ロイヤルフィリップス(オランダ)は、医療情報科学分野のパートナー企業であるインテグリティ・ヘルスケア(社長=武藤真祐氏、東京都中央区)との提携を拡大する。インテグリティ社の疾患管理システムを、フィリップスの在宅ケアソリューションと進化させていく。その一環としてフィリップスはインテグリティ社の少数株主持分を取得した。
両社はこれまで在宅呼吸ケアに関わる医療従事者と患者をつなぎ、遠隔モニタリングとオンライン診療をサポートする遠隔医療システム「eHomeCare(イー・ホームケア)呼吸管理プログラム」を共同開発してきたが、今回の提携拡大により、コロナ禍でオンライン診療を希望する在宅患者や、通院が困難な地域や高齢者など、多様なニーズに対応していく。
eHomeCareは遠隔モニタリング機能を有することで在宅の患者の状態を継続して可視化できる。同時に様態変化のリスクが検出された場合は、指定先に通知されるので、患者は安心して在宅ケアを継続できる。
eHomeCareはインテグリティ社の疾患管理システム「YaDOc(ヤードック)」をベースにしたプログラムで、患者はアプリをダウンロードすることにより、オンライン診察を簡単に受けることができ、対面診察が難しい状況下でも質の高いケアの提供が継続できる。
今後はeHomeCare呼吸管理プログラムに「睡眠時無呼吸管理プログラム」、「心不全管理プログラム」、「抗がん剤服薬管理プログラム」を追加した「統合版eHomeCare」の展開を予定している。
統合版eHomeCareとしては、フィリップスが持つ別のシステムや、両社がそれぞれ関係を有する他社のシステムとの連携も視野に入れた開発を既に進めているが、今回の提携拡大により、遠隔医療領域における顧客への利便性の高い多様なプログラムの共同開発とビジネス展開を加速させる。