「第12回サクラ病理技術賞」受賞者決定【サクラファインテックジャパン】
病理技術発展に貢献する2氏が受賞
病理検査機器・器材メーカーのサクラファインテックジャパン(社長兼CEO=石塚悟氏、東京都中央区)は、病理学的検査・技術に優れた貢献をした病理技術者に毎年贈る「サクラ病理技術賞」の第12回受賞者として、羽賀千恵氏(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター検査部)と松本慎二氏(福岡大学病院病理部・病理診断科)の2氏に決定した。
サクラ病理技術賞は同社が2008年に創設した独自の褒賞制度。病理学的検査や技術に関するさまざまな活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究だけでなく地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げた人を毎年、表彰している。
選考は医師や技師、学識経験者など病理診断分野の第一人者数名で構成される第三者機関(選考委員会)に委嘱し、公正な選考の結果、決定している。
第12回サクラ病理技術賞の「授賞式と受賞記念特別講演会」について、同社では東京で東京オリンピックの開催が予定されていたこともあり、大阪での8月開催をめざして準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染の動向をみながら、現在、開催時期・方法などを再検討している。決定次第、同社Webサイトとメールマガジン「ラボシャトル」で告知する。
羽賀氏と松本氏の「技術賞」受賞理由
【羽賀千恵氏(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター検査部)】
「老人班」と「神経原繊維変化」の新しい染色法=長年にわたり剖検脳組織標本の作製に取り組み、メセナミン銀染色法の開発やガリアス染色法の改良による普及などを通じて、脳病理診断の精度向上や病態解析研究の加速に貢献した。また、近年は画像病理相関について院内外との共同研究にも参画するなど、精力的で継続された活動が高く評価された。
【松本慎二氏(福岡大学病院病理部・病理診断科)】
FISH法および免疫組織化学における悪性中皮腫を中心とした診断技術の確立・診断精度向上の研究と全国への普及活動および後進技師の指導育成と学生教育=体腔液細胞診における塗抹標本ならびにセルブロック標本を用いたFISH法についての検討を重ね、標準的手法を確立、中皮腫診断におけるFISH法ならびに免疫組織化学の必要性を率先して報告した。これらの継続、蓄積された研究成果を日本臨床細胞学会など多くの細胞診関連学会を通じて全国へ発信した。