企業活動

心不全早期診断の確立へ【GEヘルスケア】

ロシュ・ダイアグノスティックスと協業

GEヘルスケア・ジャパン(社長=多田壮一郎氏、東京都日野市)とロシュ・ダイアグノスティックス(社長=小笠原信氏、東京都港区)は、心不全予防のための早期診断方法の確立に向けて協業を開始した。

心不全の診断では自覚症状や身体所見、心電図、胸部X線、および心不全のバイオマーカー検査を行い、心不全が疑われる場合は、心エコー図検査を実施し心不全の程度を分類している。

今回の協業により、ロシュ社が提供する心不全バイオマーカー、NT―proBNP検査と、GEヘルスケアの心臓の壁運動を定量評価するスペックルトラッキング法によるGLS(心筋の長軸方向における伸び縮みの割合)を、新たな指標として加えることで、より詳細な心不全のリスク層別化ができる。

また、従来のLVEF(左室駆出率)だけでは確定できない潜在的な心不全患者の早期発見をめざす。

この新たな診断方法が地域で共有されることにより、診断技術の平準化、医療機関同士の連携が強化され、心不全の予防や、早期の治療への介入につながることが期待できる。

高齢化が進む日本では、がんや認知症、心疾患など複数の疾患を抱える患者が増加している。特に増えているのは循環器疾患で、予後が悪く、身体的・経済的な負担も大きく、要介護の要因にもなっている。

近年、循環器疾患の中でも心不全が毎年増加。2025年には新規発症数が約37万人になる見込みだ。