『東北事業所第一工場』完成【ケイセイエンジニアリング】
「ステープラー」「針付き縫合糸」製造へ
ケイセイ医科工業株式会社(本社=東京都文京区)グループ会社のケイセイエンジニアリング株式会社(代表取締役社長=植竹強氏、新潟本社=新潟県燕市吉田鴻巣)は、岩手県の角浜小学校旧校舎(九戸郡洋野町種市4-15-7)を活用して、医療用ステープラーの組み立てを主に針付き縫合糸の製造を目的とした東北事業所(従業員15名)の開所に向け、2017年10月から準備を進めてきたが、一貫生産を可能とした「第一工場」がこのほど完成し、5月24日に竣工式を行った。
同社の植竹強社長は東日本大震災で被災した人々、また被災地に少しでも貢献したいという強い思いと、業務拡大や災害時のリスク軽減に向け、生産拠点の分散化を図るという強い思いをもって、東北地域での研究や開発ができる施設の完成を目指してきた。
関係者を招いての竣工披露で植竹社長は、「私どもケイセイグループは、1964年の創業以来、55年間の長きにわたり、形成外科、口腔外科、整形外科、マイクロサージェリー(微小外科、血管外科)、脳血管関連等のファインサージェリー機器、器具、装置等の専業メーカーとして最新医学の進展と共に歩んでまいりました。
現在、医薬品・医療機器等法に基づく第1種から第3種まで幅広く製造業、製造販売業等の許可・承認を取得し、ISO9001並びにISO13485等、国際標準規格に基づく製品製造の開発を重ねております。
当グループは、長らく製造拠点を新潟県燕市に置き、鋭意、生産と品質向上に努めてまいりましたが、業務拡張と災害等によるリスク分散を図るため新たな工場開設の適地を探していたところ、公益財団法人岩手産業振興センターの紹介と岩手県および洋野町の熱心な誘致を受け、このほど、旧角浜小学校の跡地に東北事業所として開設することと相成りました。
私どもケイセイグループは、ここ東北の地にあっても、経営理念である明日の医療に貢献するケイセイを旨として、医療機器、医療用消耗品等の独創的製造技術を維持しつつ、顧客満足度の向上に万全を期す所存でございます」とあいさつした。
また、来賓の水上信宏洋野町長からは「ケイセイエンジニアリング株式会社東北事業所第一工場の竣工にあたり、ひとことお祝いを申し上げます。
この度、本町初の医療機器製造業として操業しておりますケイセイエンジニアリング様の新工場が立派に完成されましたことは、誠にご同慶に堪えない所であり、謹んでお祝いを申し上げます。
本町では、若年者の町外転出により人口減少が顕著になっており基幹産業である第1次産業の進行はもとより若者が自分に合った仕事を選択できる多様な雇用機会を創出することが喫緊の課題でありこのたびの新工場完成は、課題解決に寄与するものと大いに期待している所です。
操業にあたっては、地元採用を中心とした社員を雇用するなど、本町の産業振興と雇用確保に多大なご貢献をいただいている所ですが、新工場の完成により、益々の業務拡大がはかられるよう、町といたしましても、今後も出来る限りのご支援をしていく所存であります。これからもケイセイエンジニアリング様が、地域に根差した企業として多くの皆様から末永く愛されますことと併せて、ますますご発展されますことをお祈りいたします」と祝辞を述べた。
新工場は鉄骨造り、床面積979平方メートル。総事業費は4億2000万円で、国の津波・原子力被災地域雇用創出企業立地補助金などを活用した。
滅菌装置や包装装置を備え、原材料の受け入れから包装工程までの一貫した製造が無菌化工場として設備され、製品は今秋から出荷開始予定。また、同工場内の視察は専用ブースが設けられ、無菌化工場として設備されている。