『発明大賞本賞』を受賞【第一医科】
メニエール病治療の「中耳加圧装置」で受賞
第一医科(社長=林正晃氏、東京都文京区)は、日本発明振興協会と日刊工業新聞社が共催する「第47回(2021年度)発明大賞」で、同社が開発、販売するメニエール病の症状の治療ができる可搬可能な「非侵襲中耳加圧装置 EFET01」が『発明大賞本賞』を受賞した。
発明大賞は1975年に創設された表彰制度。独創性に富む発明によって優秀な技術・製品を生み出した中堅・中小企業および個人を表彰している。その中でも『本賞』は、画期的な発明考案により、わが国の産業発展と国民生活の向上に大きな業績をあげた企業や個人などに贈呈している。
今回、受賞した装置は特定疾患の難病に指定されているメニエール病のめまい発作を無侵襲的に治療する中耳加圧装置。装置は患者が簡単に持ち運びでき、専門医の指導のもと、自宅や勤務先で患者が一人で使用することを可能にした。
メニエール病は難聴・耳鳴り・耳閉感を伴う、めまいが反復してあらわれる内耳の疾患。国内患者数は5万人と推定されており、そのうち3分の1は薬が効かず、手術しか治療法がなかったが、中耳加圧装置はメニエール病治療に新たな選択肢を提供した。
中耳加圧装置の開発にあたっては2012年に経済産業省の課題解決型医療機器等開発事業(現AMED事業)の委託事業に採択され、富山大学と岐阜大学などによる多施設共同治験を行い、17年に薬事承認、18年に保険適用された。
21年12月現在、全国の200施設を超える大学病院やクリニックで利用実績があり、同社の業績にも貢献している。
今回の受賞にあたり、林社長は「解決したい医療上の課題を相談くださった先生や、開発にあたった社員と協力会社の皆さま、特許出願・承認申請・保険収載を一緒に検討くださった皆さま、全ての関係者の皆さまに感謝申し上げます」とコメントしている。
また、同社マーケティング管理部の西海康史氏は「今後も本受賞企業の名に恥じぬよう、医療の発展と健康で豊かな社会の実現に貢献し、新たな価値を創造する、顧客と社会から求められる企業になれるよう社員一同成長し合うことを目指します」と述べている。