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10周年シンポジウム開催【AMED】

医療研究開発のさらなる推進へ

「AMED10周年シンポジウム」会場の様子

日本医療研究開発機構(AMED)は、2015年の設立以来、今年で10周年を迎えたことを記念し、3月10㈪午前9時30分から、東京・千代田区の一橋講堂で『わが国の医療研究開発の推進におけるAMED~これまで、これから~』をテーマに「AMED10周年シンポジウム」を開催した。

10周年シンポジウムではシンポジストらがAMEDの設立からの10年を回顧しながら、未来への期待を込め今後の方向性を示した。このうち、三島良直理事長は『AMED第2期の振り返りと第3期への展望』をテーマに講演した。

三島理事長

講演で三島理事長はAMEDの第1期(2015~19年度)を振り返り「14年の健康・医療戦略推進法の成立にともない、その翌年にAMEDは設立された。所管府省は内閣府と文部科学省、厚生労働省、経済産業省で、職員数は約300名の規模だった」と述べ、設立時の主な事業として▽医療に関する研究開発の実施▽臨床研究等の基盤整備▽産業化に向けた支援▽国際戦略の推進――の4つの活動を列挙した。

先進的研究開発戦略センターを設置

第2期(20~24年度)の組織規模に関して「職員数742名(25年1月1日現在)。事務所は本部のほか創薬事業部(東日本・西日本統括部)と海外事務所(ワシントン、ロンドン)を有している。組織体制も改編し、特に推進部門を強化して実際に医療をより効率的に進めていくための活動に力を入れている。また、パンデミックへの対応として、ワクチン開発をつかさどる『先進的研究開発戦略センター』を組織内に設置(22年3月)した」と説明した。

各省事業を連携させて一元的に管理する6つの統合プロジェクト(⑴医薬品⑵医療機器・ヘルスケア⑶再生・細胞医療・遺伝子治療⑷ゲノム・データ基盤⑸疾患基礎研究⑹シーズ開発・研究基盤)に言及しては「第1期の編成ではモダリティ(技術・手法)の開発を行うプロジェクトと、疾患別のプロジェクトが並列して存在していたため、モダリティの開発を各疾患に十分に応用できなかった。そのため、第2期では医療分野研究開発推進計画の検討の方向性に従い、モダリティの6つの領域ごとにプロジェクトを再編し、疾患横断的に研究開発を推進する体制とした」と解説した。

プロジェクトの課題管理体制を構築

統合プロジェクトの研究開発の推進にあたっては、各統合プロジェクトにPD(プログラム・ディレクター)とPS(プログラム・スーパーバイザー)、PO(プログラム・オフィサー)を配置し、プロジェクト全体の課題管理体制を構築したことを説明。「PDとPS、POは協力して、統合プロジェクト全体の課題を把握し、担当する統合プロジェクトの運営や、統合プロジェクト間の協力推進など高度な専門的調整を行うとともに、優れた研究開発提案の評価・発掘や、基礎研究の成果を臨床研究・実用化につなげる一貫運営を行っている」と統合プロジェクトのマネジメント体制を紹介した。

研究課題と研究開発費の推移に関しては「19年度は課題数2,596件、研究開発費1,295億円だったが、23年度は課題数2,676件、研究開発費1,664億円に増加した」と報告した。

第3期はシーズからイノベまで開発

第3期(25年度~)の統合プロジェクトについては「シーズ開発からイノベーションを生み出す流れを構築する」と述べ、第3期の統合プロジェクトとして⑴医薬品⑵医療機器・ヘルスケア⑶再生・細胞医療・遺伝子治療⑷感染症⑸データ利活用・ライフコース⑹シーズ開発・基礎研究⑺橋渡し・臨床加速化⑻イノベーション・エコシステム――の8点を紹介した。

第3期AMEDの体制強化に向けては、①情報集約・分析(目利き)②出口戦略立案③案件調整――の3点を強力に推進する、として「情報集約・分析では医療界などの動向、患者・家族などからの情報、国際的な研究動向、データベースを活用した分析、調査を行う。出口戦略立案では事業化に向けたマイルストーン設定と、事業や担当部局の壁を超えた横断的マネジメントを行う。案件調整では連続的支援を促進する新たな採択プロセスの柔軟な運用(ペアリング・マッチング)を行う」との方向性を語った。