約100年前の医療器械が見つかる【サクラグループ】
「鰯屋松本器械店」の銘板貼付
サクラグローバルホールディング(会長=松本謙一氏、東京都中央区)のグループ企業であるサクラ精機の約100年前の医療器械2点が見つかった。これは福井県・高浜町の山口醫院で使用されていたもので、2点とも「鰯屋松本器械店」の銘板が貼付されている。
見つかった経緯としては、現在、山口醫院は閉院しているが、その親族が営む山口クリニック(兵庫県尼崎市)の院長夫人から、山口醫院の閉院整理をしている際に「鰯屋松本器械店」の銘板が貼付された医療器械2点が出てきたため調べて欲しい、とサクラグローバルホールディングに依頼があったことがきっかけとなる。
依頼を受け、グループ企業・いわしやサクラの田村幸一郎社長が調査を開始。調査の結果、医療器械に貼付された銘板がサクラ精機「150周年記念誌」に掲載されている銘板と同じであったため、鰯屋松本器械店(現サクラ精機)が販売した医療器械であることが判明した。
2点の医療器械はそれぞれ「鰯屋松本器械店」の銘板が貼付された箱に入ってセットされた状態で見つかった。
1点はクレニッヒ氏腰椎穿刺針とジーフェンバック氏動脈狹子(クレンメ)などの腰椎穿刺針・穿刺器。用途は腰椎部に穿刺して脳脊髄液の採取、検査、薬液の注入・圧力測定に使用する。使い方は針尖を所定部位に穿刺してからマンドリンを抜き、カランを閉鎖する。付属品は圧力測定用ガラス管、比重計、ニッスル氏蛋白計など。
もう1点の医療器械は特別な形状をしたデアツオ氏反應試験管が組み込まれた検尿器(反応試験)であった。
なお、2点の医療器械は山口クリニックの厚意により、サクラグローバルホールディングに寄贈され、現在、同社本社1階の展示スペースに展示されている。そのほか、展示スペースにはエムカテラ顕微鏡、千代田顕微鏡、メス・剪刃などの鋼製小物や、明治時代からの資料などが展示され、同社の歴史を見ることができる。