書籍

『経営者は遊び心を持て』発刊【サクラGHCの松本謙一会長】

経営思想や人間学、生き様など描く

サクラグローバルホールディング(東京都中央区)の代表取締役会長である松本謙一氏の半生を綴った書籍「経営者は遊び心を持て―空飛ぶ怪鳥・松本謙一の人間学―」(四六判200頁)=写真=が日刊工業新聞社から発刊された。

書籍の表紙

この書籍は松本氏が、サクラグループの中で1973年から44年間にわたり、経営の第一線に立ち続けてきた経営者としての様々な経験や、そこから導き出された人間学、さらに生き様に至るまでを、日刊工業新聞社の新聞編集委員・村上毅氏が総計20時間を超えるインタビューをもとに、松本氏を知る人たちへの取材も交え書き上げた。

その内容は400年を超える歴史を持つサクラグループの中興の祖であり、日本で初めて医療機器の業界団体『東京医科器械同業組合』の設立者でもある祖父・松本福松と、戦中戦後の混乱期を切り抜け自社を発展させた父・松本善治郎への思いや、必ずしも順調な日々ばかりではなかった自らの生い立ち、業界の先駆けとなった海外進出、巨大企業との提携・買収交渉――などのほか、これまで語られることのなかった医療機器業界の歴史に関する貴重な証言の数々が盛り込まれている。

書籍の冒頭『発刊にあたり』で、松本氏は「そろそろ本を出版して、己の考え方や経験を書き残しておいてはどうかと、以前からしばしばお勧めを受けていた。しかし、まだまだ自分ではやりたいことがあり、各方面からの様々な依頼も次から次で、手帳は何か月も先まで黒字、赤字、青字、緑字でびっしり。とても自分事を本にする気にはなれなかった。第一、自慢噺の羅列ととられるのは何にもまして嫌だった」との考えを示したあと、「ところが数か月前、ふと思い直した」として、その動機を箇条書きにしている。

その動機については①歴史は『ヒト・モノ・カネ(経営の三要素)』では買えないものであることに、あらためて気づいた②直近の時流に則した今の自分なりの『キーワード』(1.持続的成長2.多様性に対応した戦略)を残しておきたかった③先人の築いた道が未来への道を切り拓くために不可欠なことを示したかった――の3点を挙げている。

同書籍の価格は1500円(税別)。丸善の丸の内本店や日本橋店、八重洲ブックセンターなど都内大型書店で購入できるほか、地方書店では注文で取り寄せが可能。また、アマゾンなどネット書店からも購入ができる。