年頭所感

第93回日本医療機器学会大会 メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2018 開催にあたって

「医療技術、医療機器産業の明日を考える」第93回大会長 東 竜一郎(サクラ精機株式会社代表取締役社長)

東大会長

年頭にあたり一言ご挨拶いたします。本年は「戊戌(つちのえいぬ)」年にあたり、「新しい命を育む縁起の良い年」とされております。本年が皆様にとりまして実り多い1年となりますよう心より祈念いたします。

さて、第93回日本医療機器学会大会ならびに「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2018」が、2018年5月31日から6月2日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されます。長い歴史と伝統をもつ本学会大会も93回目を迎え、明治の年号をそのまま継承すると「明治150年」の節目に大会長を仰せつかりました事に対しまして、この上なく光栄に存じますと共に、大会長にご推挙頂きました学会役員の皆様ならびに会員の皆様を含め関連各位に感謝申し上げます。有意義な学会大会・併設展示会とするべく、皆様方のご支援、ご協力のもと鋭意努力して参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、皆様もご承知の通り、我が国の医療を取り巻く環境は、少子高齢化と疾病構造の変化に代表されるがごとく、医療供給制度そのものや、供給される医療機器・材料に求められる姿も変わっていく必要性に迫られています。また、医療技術や機器・材料の効能/効果と医療経済への貢献度がエビデンスと共に益々求められて来ています。更に、医療そのものを支える医療提供者や産業界(医療機器製造業者、流通販売業者、サービス提供事業者等)の人材育成も、グローバル化や多様化という側面、あるいは広義な意味での倫理面で大きなテーマである事は周知のとおりです。①「医療コストの増加に対し、医療技術や医療機器・材料はどう評価されるべきか」、②「日本医療機器産業の経済発展はどう成し遂げられるべきか」、③「日本発の医療機器におけるイノベーションの促進を加速するには何が必要か」、④「医療提供者や産業界の人材育成は更にどうあるべきか」、テーマは数多く顕在化しています。

今回の大会テーマは、「医療技術、医療機器産業の明日を考える」とさせていただきました。昔から言われる和洋の諺に、「沈黙は「金」なり」という言葉がありますが、現代そして将来の医療を望むとき、産業界として、あるいは産官学や関連団体の枠を超えて、すべてのステークホルダーが大いなる語り合いと、議論を深める事が必要でありましょう。上記に掲げたテーマはごく僅かばかりでありますが、これらを常に念頭に置き、また昨今のキーワードとしてしばしば用いられる、「医工連携」、「ベンチャー企業との積極的連携」、「サービスの充実を伴う日本発医療機器の世界進出」、「ITやロボット技術の活用」、「最先端医療技術」、「人材育成制度」なども視点としつつ、患者様を代弁する医療現場への十分な理解をもとに、この大会が皆様にとって大きな議論の場であり、かつ情報受発信の場となり、有意義、且つ明日の医療を考える機会の一助となればと願っております。

学会大会に併設する恒例の「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2018」は、大会テーマとも連携した総合展示会を目指します。テーマ展示を展開し、また業界関係者の興味を引く旬なテーマの研修セミナーを開催することにより、最大限の集客が出来るよう、現在鋭意準備中です。また、多岐にわたる企業様のニーズに応えるべく、今回は展示ブースを3つのタイプに分け、出展料の価格体系も見直し、多くの企業様にご出展いただけるよう募集条件を整備しました。来場者・出展社双方にとって「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2018」が有意義な場になるよう全力を挙げて取り組んでまいりますので、是非とも多くの企業様の積極的なご参加を心よりお待ち申し上げております。