年頭所感

2026 年頭の挨拶【一般社団法人 日本医療機器販売業協会 会長・山下 尚登】

山下会長

明けましておめでとうございます。昨年も当協会の活動にご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて当協会におきましては、いつ、いかなる時も医療機器をはじめとする物資を、必要としている人たちに「安定供給する」という社会的使命のもと、その使命遂行に全力を傾注してまいりました。そして、これまで以上に災害対策に万全を期していきたいと考え、過去の経験を活かし、昨年「大災害時の対応マニュアル」の大幅な見直しを行っております。昨年末にも青森県沖で震度6強の大地震が発生したところですが、関係各県の販売業協会を中心に迅速に対応いたしたところです。

また、台風や集中豪雨などによる被害などの災害に見舞われたところでもあり、当協会としては、大規模災害発生時に備えた危機管理体制を、日頃より構築しておくことが今後も必要と考えております。

一方、物価高による原材料費や物流コストの上昇、円安の影響などにより、我々販売業の医療機器の仕入れ価格は、間断なく高騰し続けております。他方医療費削減の観点から材料価格の引き下げ要請は続いており、このままでは医療機器販売業は板挟みとなり、医療機器の安定供給や適正使用支援の継続に支障をきたすことが危惧されます。これらの状況については、厚生労働省の中央社会保険医療協議会などにおいて、現状を主張してきたところであり、物価に連動した材料価格制度の見直しなどを要望したところです。

さらに、医療機器の流通問題に関しては、物流2024年問題の影響について、その後の経過報告や適正使用支援ガイドライン普及状況、価格交渉代行業者による流通コストを考慮しない価格交渉など、これらの課題について厚生労働省医薬産業・医療情報企画課流通指導室と事前協議を重ね、「医療機器の流通改善に関する懇談会(流改懇)」に向けて準備を行ってまいりました。

当協会では、本年もすべての医療機関に、安全かつ安定的に医療機器・医療材料を供給することを使命と考え、医療従事者の皆様が適切な医療機器を選択し、治療や診断を患者さんに適正に行っていただくための「適正使用支援」を行い、医療機関におけるチーム医療を支える「拡大チーム医療」の一員として、効果的で質の高い医療の提供を促進し、会員のレベル向上を図っていきたいと考えております。

次に、昨年経済財政運営と改革の基本方針2025において、「医療安全の向上に向け、医薬品・医療機器等の物流DXの推進に資する製品データベースの構築を進める」と記載され、製品データベースの構築に向けた検討会において具体的な議論が開始されました。この検討会は昨年4回開催され、長年医療機器データベース構築に尽力してきた当協会も意見を述べ、現在、中間報告がまとめられたところであります。引き続き議論は続きますが、医療安全の向上のためのデータベースが構築されることは勿論、医療機器の物流DXの推進にも資するデータベースとなる事を期待したいと思います。

また昨今は、少子高齢化や働き方改革、個人の価値観の変化に対応した「人材の確保」という課題があります。これは医療機器業界だけではなく多くの産業が抱えている問題と思いますが、医療機器販売業においては、医療の提供を支える業界として、国民の生命、健康の維持、増進に関与しておりますので、その役割や使命を、しっかりと若者やその関係者には理解いただくとともに、次の世代を担う意欲のある人材に一人でも多く感心を持っていただきたいと考えております。そのための中高生向けの業界紹介マンガ動画も作成し、これから更なる周知をしてまいります。

最後に、昨年は我々医療機器業界にとって非常に残念なことに、不適切な事案が報じられました。関連法令や公正競争規約に違反する行為は、業界全体の信用を著しく損なうものと考えております。このような報道を受けて、当協会といたしましては、コンプライアンス体制の一層の強化と業界全体の信頼性向上のため、会員企業に向け法令遵守・倫理教育を引き続き実施し、現場での対応が適正になされるよう指導・管理を徹底してまいります。

2026年も、医療機器産業界の皆様そして行政の皆様など関係する方々のご支援、ご協力を賜りながら、取り組みを着実に進め、我が国の医療の提供を支え、国民の健康や福祉の増進に貢献していきたいと考えております。引き続き皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。