2021年 年頭のご挨拶【日本医療用縫合糸協会(日縫協)会長・中島孝夫】
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も皆様方のご指導、ご協力を賜りたく、何卒宜しくお願い申し上げます。
昨年は、令和という新たな元号をもって、新年を迎えることとなり、東京オリンピック・パラリンピックも開催され、希望に満ちた一年になると誰もが思ったのではないでしょうか。
ところが中国・武漢で新型コロナウイルスが発生し、あっという間に世界中に広がり、WHOのテドロス事務局長は昨年3月11日、新型コロナウイルス感染症はパンデミックに至っているとの認識を示し、各国に対し一層の対策強化を求めました。それでも世界の感染者数は6000万人を超え、残念なことに今も増え続けています。まさに昨年は新型コロナウイルス一色の一年でした。個人の生活や企業の環境、働き方も一変させました。皮肉にも、働き方改革は新型コロナウイルスによって余儀なく推進されたと思います。
さて、本年は「辛丑(かのとうし)」の年、牛は古くから酪農や農業で人間を助けてくれる大切な動物でした。大変な農作業を最後まで手伝ってくれる働きぶりから、丑年は「我慢(耐える)」、「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるといわれています。
私たちはコロナ禍で我慢を強いられ、新型コロナウイルスに負けないように尽力して参りました。本年は東京オリンピック・パラリンピックも開催することが決定されています。本年こそ良い年になることを願うものです。
コロナ禍以前の環境に、当分の間は戻らないことを前提に、新たな決意をもって、会員企業のために、何ができるのか考えていきたいと思います。
当協会は手術用の縫合糸及び縫合針を中心に扱う企業が集まる団体であり、医療においては、なくてはならない団体です。
また、今年の8月には医薬品医療機器等法の一部改正として、添付文書の電子的提供の原則化や製造販売業者・販売業者等の許可業者の法令順守体制の整備等が施行されます。それに伴う有益な情報を、会員企業に周知させることが重要であり、小回りの利く、対応を検討したいと思います。
本年は、診療報酬改定の年ではありませんが、昨年、新型コロナウイルスの影響で「診療報酬講習会」を開催することが出来ませんでしたので、来年に備える意味でも、本年は開催することを検討したいと思っております。開催の際は、感染対策を万全にして、商工組合日本医療機器協会と共催で、盛り上げたいと思います。
ともあれ、当協会は、会員企業に対し情報発信が主な業務となりますが、外部に向けては、関係団体と協力し、医療機器法の早期制定を目指します。私の知るところでは、アジア近隣諸国では、すでに医療機器法が制定されており、運用されております。
中小医療機器産業にとっては、スピードが命です。医療従事者の皆様のためにも、患者様のためにも、新製品をいち早く、市場に出したいと願うのが企業の念いだと思います。一日も早く、医療機器法が制定されるよう、他の団体とも協力し、少しでも貢献できればと考えます。
最後に、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願い、皆様のこの1年のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、また、当協会へのご指導とご鞭撻を心より、重ねて、お願い申し上げて、新春の挨拶に代えさせていただきます。