「第72回全国大会」開催【日本理化学硝子機器工業会】
全国各地から会員が京都に参集
全国の理化学硝子機器専門メーカーで組織する日本理化学硝子機器工業会(会長=中村剛氏、東京都墨田区、NRGK)は、10月12日㈯に京都市のホテルオークラ京都で「第72回全国大会」を開催した。大会には全国各地から会員や賛助会員ら50余名が参集し、各地の理化学硝子の景気状況や硝子加工技術に関する情報交換を行った。
技術進展や業界発展へ向け意見交換
全国大会は総会を兼ねて毎年開催されており、NRGKの各支部(仙台、東京、名古屋、京都、大阪、中国・九州)が輪番制で幹事を担い、全国大会の企画・運営を行っている。今回は京都支部が幹事を担当した。
第72回全国大会の開会にあたり、あいさつした京都支部の中村延一支部長は「全国大会は理化学硝子製品業界が一堂に会して、技術や品質向上の進展や業界の発展に向けた意見交換を行う貴重な機会であり、重要な場である。歴史と伝統のある京都で開催できたことは深い意味を持つものであり皆さまにとって有意義な時間になることを願っている」と全国から参集した会員らを歓迎した。
業界の発展を見据えては「今後、発展していくためには環境に配慮した製品開発や、安全性の向上、国際競争力の強化が重要な要素になる。これに対応するには技術者1人ひとりが創意工夫と業界全体の協力が必要不可欠で、今大会が未来に向けた一歩を踏み出す契機になることを祈念する」と述べた。
理化学硝子職人の更なる地位向上へ
次いで、あいさつしたNRGKの中村会長は「昨年、第71回全国大会は九州の大分県日田市の亀山亭ホテルで行われ、皆さまにご参加いただき感謝申し上げる。今年度は京都支部の皆さまのご尽力のおかげで、このようなすばらしい会場で全国大会が開催できた。また、賛助会員や組合員の皆さまの日ごろのご支援のたまものと深く感謝申し上げる」とNRGK事業への協力に対して謝意を述べた。
海外の理化学硝子技術の情報収集を目的に欧米を中心に視察団を派遣していることに言及しては「どこの国にも同じような理化学硝子の組合があり、渡航して情報交換をしている。その都度、私は『日本には全国6支部で構成される工業会(NRGK)があり、毎年、全国大会を開催するなど、会員の尽力で各種事業を展開している』と自慢して帰ってくる」と報告した。
理化学硝子の技術者の地位向上の関しては「理化学硝子技術者の地位の向上を、われわれの目標の1つに掲げ活動してきたが、10~20年前に比べると地位はかなり向上したのではないかと自負している。今後も理化学硝子技術者の地位向上の〝炎〟を燃やし続けていかなければならない。これは皆さまのご協力あってのことだと思う」と会員の一層の団結を呼びかけた。
ここで、司会の竹内信夫専務理事が出席の賛助会員を紹介し、賛助会員を代表して、A GCテクノグラス・コンシューマ本部営業部サイテック営業グループの前納哲也グループリーダーと京都電子工業・品質保証本部の古川光男本部長が祝辞を述べた。
このあと、「第72回通常総会」が行われ、舞原利夫理事が「会員総数66名中、出席会員数36名、委任状提出18名の計54名」と総会成立定数を報告し、中村支部長を議長に議案の審議に入った。
事業計画や分担金の値上げなど決定
令和5年度事業報告を竹内専務理事、同決算報告を宮原弘治常任理事、監査報告を中田俊郎監事、令和6年度事業計画・予算を志賀秀吉理事、役員の変更とその他必要事項を竹内専務理事が、それぞれ報告、説明を行い、各議案とも原案通り承認、可決した。
このうち、役員の変更では碇谷康治監事に代わり、古川理工の古川雄次氏が新たに理事に就任したことが報告された。
また、その他必要事項では、昨今の物価高騰にともない分担金の値上げを審議し、会員1社が5,000円増の1万8,000円に、賛助会員は第1種会員が1万円増の12万円、第2種会員が5,000円増の6万円にそれぞれ値上げされた。賛助会員の第3種会員については廃止となった。なお、値上げは令和7年度から実施される。
分担金の値上げにともない、会員がNRGKにメリットや魅力を感じられるような活動が求められていることを踏まえ、八木原敏夫理事が1つの案として「東京支部では若手を中心に技術・技能の向上を目的に講習会を開催しており、多くの若手が育っている。これをNRGKの主催でできないだろうか。技術・技能は各自で興味のある分野は違うだろうが、テーマを皆さんで持ち寄り、全国大会の場でディスカッションができればと思う。ホテルの会場などでは火は使えないので加工はできないが、オンラインでどこかの事業所とつなげ、実際の加工の様子を見ながら質疑応答ができれば、有意義な会になるのではないかと思う」と業界発展にもつながる人材育成事業を提案した。
次期73回全国大会は来年9月に熱海で
そのほか、総会では次期73回全国大会に関して、担当支部の東京支部の池田高樹支部長が、2025年9月6日㈯・7日㈰の日程で、神奈川県・熱海温泉の聚楽ホテル月の栖で開催する――と発表した。
議案審議終了後はNRGK規定による理化学硝子機器製造の検定合格者の表彰式が行われ、1級技能士に合格した藤原製作所・製造部製造一課の興梠健児工場長と、2級技能士に合格した松本理化器製作所の松本純社長をそれぞれ表彰した。
夕刻からは懇親会が催され、ハリオサイエンス・理化営業部の岸田徳行課長の〝乾杯〟で開宴した。会場では京都らしく芸妓さんの踊りの鑑賞や舞妓さんとの写真撮影を楽しみながら、全国から参加した会員や賛助会員らが和やかな雰囲気の中、親睦を深め合った。ひと時の歓談のあと、関谷理化の関谷幸樹社長の〝閉会の辞〟で全国大会は散会となった。