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「医療機器QMS講習会」開催【日医機協】

全国から911名が受講に訪れる

「医療機器QMS講習会」開催

日本医療機器協会(理事長=今村清氏、東京都文京区、日医機協)は、4月19日㈮午前10時55分から、東京・春日の文京シビック大ホールで「医療機器QMS講習会」を開催した。講習会には全国から911名が受講に訪れ、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の担当官らの講義を熱心に聞き入った。

講習会は年々好評博し受講者が増加

中島副理事長

講習会の開会にあたり、あいさつした日医機協で医機法委員会委員長も兼務する中島孝夫副理事長は「この講習会は初心者向けに『今さら聞けないQMSのこと』と題して、3年前にニッショーホールで行ったのが始まりです。すると大変に好評で700人以上の方が受講され、来年も開催してほしい、との声が多く寄せられた。これを受け、次の年に、ここ文京シビックセンターで行った講習会には、受講者が800人以上訪れ大盛況で終えることができた。平成最後の今回の講習会には全国から487社911人が参加、行政の方や関係者を含めるとそれ以上の人数になる」と、3年前から始まった同講習会は受講者が年々増加し、好評を博していることを報告した。

また、講習会の講師について「今回、初めて厚生労働省の方に講師をお願いした。そのほかの講師として、PMDAの小川様と、日本医療機器産業連合会(医機連)の浅井様には3年連続で(講習会を)応援していただいている」と紹介した。

最後に「一団体として、これだけの規模の講習会を開催できることは、本当に多くの方のご協力なくしてはかないません。今後もこの講習会事業を当協会の重要な使命の1つと捉え、会員非会員を問わず、多くの医療機器関連企業のお役に立てるよう精進してまいりますので、ご支援のほどお願い申し上げます」と述べ、同講習会に携わった関係各位に感謝の意を表明した。

このあと、講習会では厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の田中良一GMP指導官が『医薬品医療機器等法改正の方向性およびQMS省令改正について』、PMDA医療機器品質管理・安全対策部医療機器品質管理課の小川将仁課長が『QMS適合性調査の申請から終了まで-調査における指摘事項等-』、医機連ISO/TC210国内対策委員会副委員長で日立ハイテクサイエンス品質保証本部の浅井英規氏が『業務に直結した部分で企業としてどう対応すればよいのか-ISO13485:2016をふまえて』--をそれぞれテーマに、講義を行った。

薬機法やQMSの改正の方向性解説

田中GMP指導官

このうち、田中GMP指導官は薬機法改正に向け検討している3テーマに言及。①革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保や開発促進・生産性向上と安全対策の充実②医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実③人口構造の変化に対応するとともに患者がメリットを実感できる薬局・薬剤師のあり方--を挙げ、検討状況を説明した。

具体的な検討に関して①のテーマでは「先駆け・条件付き承認制度の法制化や、医薬品・医療機器の承認事項の変更手続きの柔軟化、添付文書の電子的提供のあり方、リアルワールドデータの薬機法上の位置づけのあり方--などについて検討している」と解説した。

②のテーマでは「許可業者・開設者と現場責任者の責任関係の明確化のあり方、許可業者の違法行為を抑止する行政措置のあり方、経済的利得の是正を通じて虚偽誇大広告を抑止するための課徴金制度の導入--などを検討している」との方向性を示した。

また、田中GMP指導官は「QMS省令と整合されている国際規格ISO13485が、2016年に改訂されたことにともない、QMS省令も改正作業が進められている」と述べ、ISO13485:2016の主な改正ポイントとして、⑴リスクに基づくアプローチの適用⑵品質マネジメントシステムで使用するソフトウェアにバリデーションを適用⑶統計的手法に基づくサンプルサイズ--の3事項を説明した。

これを踏まえ、QMS省令改正の方向性について「改正QMS省令は近々にパブリックコメントを発出する予定で、公布・施行はパブコメ後1~2か月後になる見込み。ただし、適用までは3年の猶予期間が設けられる」とし、主な改正予定事項を解説した。