再生医療装置の開発へ ー シンフォニア
神戸医療産業機構と英国社と共同で
シンフォニアテクノロジー(社長=斉藤文則氏、東京都港区)は、神戸医療産業都市推進機構(理事長=本庶佑氏、兵庫県神戸市)、英国SAKARTA社(スコットランド)と幹細胞の大量培養と品質担保・管理を同時にできる自動化システムの共同開発契約を結び、英国機関との実証実験に向け取り組みを開始した。
シンフォニアテクノロジーは、神戸医療産業都市推進機構が進める細胞培養法や品質検査法の規格化についての研究成果を活用するとともに、同社が半導体製造装置などの開発で培ったモーションコントロール技術や、局所クリーン化技術を応用し、インプロセスで培養状態をモニタリングしながら、最適は培養プロセスを実行させる機能を備えた自動化システムの開発を進める。
英国での実証実験はiPS細胞バンクの国際協調に取り組む国立研究機関が行う。SAKARTA社はこの実証実験と規制当局への対応を担う目的で昨年、スコットランドに設立された企業。シンフォニアテクノロジーはSAKARTA社に出資する予定だ。
今後、iPS細胞と間葉系幹細胞を対象に、神戸医療産業都市推進機構や英国機関との実証実験、GMP適合製造施設で稼働させるための規制当局への対応を2020年度までに行い、21年度の上市を計画している。5年後には年間50億円の売り上げをめざす。
現在、シンフォニアテクノロジーは新事業として医療分野への参入を推進している。昨年7月には開発本部から医療分野の専任組織として「メディカルエンジニアセンター」を分離・独立させ、同10月に神戸医療産業都市内に神戸事務所を開設した。今回の共同開発契約により、この分野の活動をさらに加速させる。