ケニアに事務所を開設 ー テルモ
サブサハラアフリカの輸血を支援
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)の血液関連子会社の米国・テルモBCT社(コロラド州)は、ケニアのナイロビに事務所を開設した。
これを機に、現地の医療従事者への研修と教育、献血された血液を最大限に活用する技術などを通じて、安全で充分な量の血液供給を支え、現地の医療インフラ向上に貢献していく。
テルモBCT社はケニア国家輸血サービス(KNBTS)などと協力して、複数回献血者を増やすためのプログラムを進め、安定的な献血者層の確立をめざす。
将来的に、輸血環境が整備された後は、がん患者の治療に使われる成分採血にも注力していく考えだ。また、官民連携を継続的に強化し、ケニアのみならずサブサハラアフリカ(サハラ以南のアフリカ)の他の国でも、安全で持続的な輸血環境の整備に努めていく。
世界保健機関(WHO)によると、医療水準の維持に必要な血液量は、人口の1%といわれている。これによるとケニアの人口は4500万人なので、毎年、45万単位の血液採血が必要されるが、昨年、ケニアにおける採血量は16万4275単位にとどまっている。
米国で骨止血剤を上市
ヘモスタシス社と販売提携
また、テルモは、米国・ヘモスタシス社(ミネソタ州)と同社製の骨止血剤「ボーンシール」の米国での独占販売契約を結んだ。販売はテルモの米国子会社で人工心肺装置などを手がけるテルモカーディオバスキュラーシステムズ社(ミシガン州)が担う。
ボーンシールは生体吸収性ポリマーと生体適合性ミネラルで構成され、心臓外科手術における胸骨切開の出血管理に使用される。
一般的な骨止血剤としては、ミツロウやパウダー、ゼラチンなどがあるが、ボーンシールは塗りやすく、生体吸収性で、骨組織の成長をサポートすると報告されているヒドロキシアパタイトを原材料に含んでいるため、新しい骨止血剤として期待されている。