医工連携

内視鏡挿入時の『オエッ』を軽減 ー 鳥取大学、イナバゴム

内視鏡用マウスピースを共同開発

鳥取大学医学部附属病院(病院長=原田省氏、米子市西町)とイナバゴム(社長=岡本吉久氏、大阪市西区)は、内視鏡がのどを通る時の『オエッ(=Gag)』という咽頭反射を軽減する内視鏡用マウスピース「ギャグレスマウスピース」を共同開発・製品化し、カワニシ(社長=本山章氏、岡山市北区)を通じての販売を開始した。

鳥取大学とイナバゴムはマウスピースを前歯でかむと、のどが狭くなることに着目。ギャグレスマウスピースは舌が持ち上がらないように奥歯でかむ構造になっている。

ギャグレスマウスピースの形状は、これまでにない馬蹄型を採用し、柔軟な材質で、側面に空洞部を設け、適度なかみ心地となっている。

内視鏡挿入口はすべりの良い樹脂材質で、穴の入口を広くすることで、内視鏡を挿入しやすくなっている。

また、内視鏡のケーブルの『あそび』が少なくなるよう、穴のサイズを小さくしている。

さらに、穴の内壁全周に筋状の突起を設けることで、ケーブルとの接触面積を小さくし、滑りやすくしている。

販売はカワニシが担い、まずは中国・四国地方の医療機関に向けて販売を開始する。今後は病院での内視鏡を使った検査・治療に加え、健康診断でも使用されるよう提案していく。

鳥取大学医学部附属病院では平成26年度から『医療機器開発人材育成共学講座』を開講し、製品開発に関する人材育成と、企業との共同開発を推進している。今回の共同開発はその中から生まれたプロジェクトで、鳥取県の助成(とっとり発医療機器開発支援事業)を受け、取り組んできた。