ウズベキスタンの医療発展へ【日本ウズベキスタン・シルクロード財団】
ヘルスケア部会の活動を報告
日本ウズベキスタン・シルクロード財団(評議委員会会長=海老沢勝二氏)は、10月12日㈮午後3時30分から、東京・大手町のKKRホテル東京で「第17回シルクロード・ビジネスセミナー」を開催した。セミナーでは財団が7月に同国の首都タシケントを訪問した際の活動内容を部会ごとに報告した。このうち、ヘルスケア部会は松本謙一部会長(海外医療機器技術協力会〈OMETA〉会長)がウズベキスタン保健省との交流内容などを報告した。
セミナーの開会にあたり、海老沢会長は「当財団では今回、タシケントで第16回ビジネスセミナーを開催した。ウズベキスタン首脳との交流も順調に進み、大きな成果を上げることができた。これを機に、この成果を活かしながら、新しい日本とウズベキスタン、そして中央アジア全体との交流を深め、お互いにプラスになるよう努力していきたい。本日は16回セミナーの成果報告を聞き、われわれの目標や方向性を皆さまと共に考えて行きたい」とあいさつした。
このあと、セミナーでは財団の貿易投資インフラ部会とヘルスケア部会、文化観光教育スポーツ部会――の3部会から、タシケントでの活動内容が報告された。
「日本ウズベキスタン医療情報センター」開設へ
この中で、ヘルスケア部会の松本部会長は同国に開設予定の『日本ウズベキスタン医療情報センター』について「3年ほど前に安倍総理の中央アジアミッションに随行し、タシケントを訪れた時に、保健省とOMETAとの間で日本ウズベキスタン医療情報センターに関するMOUを結んだ。本来だとこのMOUに基づいて計画が進んでいたと思われるが、カリモフ前大統領が亡くなり、新政権に移行してからは計画が進んでいない」と現状を説明した。
このことを踏まえ、松本部会長は今回、タシケントを訪れた際に、保健省の大臣と意見交換を行ったことにふれ「大臣からは日本ウズベキスタン医療情報センターの業務に期待しているとの発言をいただいた。同センターを開設する候補地については、タシケント市内の医療大学やナボイ州立病院など、具体的なご提案をいただいた」と進捗状況を報告した。
そのほか、保健省の大臣との意見交換では「ウズベキスタンでは三大疾病以外に、糖尿病など成人病患者が増加傾向にある。同国ではこれへの対策として、透析センターの設置などが緊急課題となっており、日本からの資金・技術援助を期待している」と大臣の発言内容を明かした。
今回のタシケント訪問で確認したヘルスケア部会の取り組むべき対ウズベキスタン4案件に関しては、①日本ウズベキスタン医療情報センターの開設②遠隔医療診断パイロットプロジェクト実施の検討③ホスピタルマネジメントの交流④スポーツ医学の交流――を列挙。「この4課題について今後、ヘルスケア部会として積極的に取り組み、同国の医療の向上を支援していきたい」と表明した。