AIで画像診断を支援【富士フイルム】
米インディアナ大と共同開発
富士フイルム(社長=助野健児氏、東京都港区)は、米インディアナ大学医学部と人工知能(AI)を活用した医療画像診断支援システムの開発に関する共同研究契約を締結し、米国での研究を開始した。
共同研究では富士フイルムの持つ画像処理技術やAI技術と、インディアナ大学医学部が有する豊富な読影・臨床知見を融合することで、医師の画像診断プロセスやノウハウを取り込んだAI技術を開発するほか、グローバル展開を見据え、医師の診断ワークフローを支援する最適なシステムを探究していく。
具体的には富士フイルムのAI技術を活用して、加齢や臓器不全などの疾患によって全身の筋力や身体機能が低下するサルコぺニアを対象にした診断・治療の可能性を共同で検証する。
また、脳神経領域での病変候補の検出や、定量化による読影支援の可能性についても共同で検証していく。
富士フイルムでは医療画像診断支援や、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用可能なAI技術の開発を進め、そのAI技術を『REiLI(レイリ)』ブランドで、各市場のニーズに適したソリューションとして、グローバルに展開していく予定だ。
近年、CTの多列化など画像診断装置の高性能化により、撮影される診断画像の枚数が増大しており、医師がこれらの大量の画像を効率的に読影・診断できるソリューションが求められている。
AI技術の活用で、画像から病変の疑いがある箇所を検出、過去の症例と照合、レポートの半自動作成など、医師を支援し、医療現場の効率化に貢献するシステムの開発が期待されている。