内視鏡検査をAIで支援 ー 昭和大、名古屋大
大腸ポリープ、がんを自動検出
昭和大学横浜市北部病院消化器センター(工藤進英センター長)と名古屋大学大学院情報学研究科(森建策教授)の研究グループは、人工知能(AI)による大腸内視鏡検査支援システムを共同開発した。
大腸内視鏡検査は1回の検査で約26%もの微小ポリープが見逃されていることや、医師の技量によって発見率・見逃し率が変わると言われている。
同システムはAIを用いてポリープ・がんをリアルタイムで検知し、医師による病変の発見をアシストする。AIにより、微小がんや前がん病変を見落とすリスクを低減し、大腸がんによる死亡を抑制することが期待されている。
研究グループは昭和大学横浜市北部病院で撮影された73件の大腸内視鏡検査の動画997分・約1800万フレームを対象に研究を実施。経験豊富な内視鏡専門医がこの動画について、1フレームごとにポリープが映っている・いないの判定を行った。
このうち、AIの学習に適していると判断された約20万フレームの動画を、ディープラーニングで学習してから、AIで学習していない50病変の動画で性能テストしたところ、94%(47病変)が検出できた。
AIは診療に影響を与える可能性があるため、研究グループは薬機法の承認取得が必要と判断し、2019年度には薬機法の申請をめざした試験を開始する予定だ。