中国の医療機器企業を買収【テルモ】
薬剤溶出型ステント事業を拡大へ
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、中国医療機器企業のエッセン・テクノロジー社(北京)を約144億円で買収することで合意した。買収資金は手元資金を充てる予定で、2018年中の手続き完了をめざす。
エッセン・テクノロジー社は2006年に設立された薬剤溶出型冠動脈ステント(DES)の開発・生産・販売を展開する専業メーカー。年間売上は約23億円。従業員数は約200人。
テルモは中国でガイドワイヤーやバルーンカテーテルなどカテーテル手術に関する製品を販売してきたが、これまでステントは取り扱っていなかった。
中国は冠動脈カテーテル治療(PCI)の症例数が75万例を超え、今後も年率10%超の伸びを続け、数年後には世界最大市場になることが予測される。
現在、テルモは日本や欧州、アジア、中南米など40か国以上で自社製のDESを販売してきたが、今回の買収により中国がDESの販売地域に加わることになる。
テルモは事業軸で均質的なグローバル化を推進するとともに、一部地域では市場性と自社プレゼンスに合わせた独自戦略を展開。中国では現地化対応を進めており、すでに腹膜透析や腎除神経カテーテル、脳血管内治療などの分野で現地企業と提携している。