企業活動

薬剤塗布バルーンカテーテルのCEマーク取得【テルモ】

欧州市場でのシェア10%めざす

「カンシャス」

テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、下肢の末梢動脈疾患の治療に使用する薬剤塗布バルーンカテーテル(DCB)「カンシャス」が、日本企業として初めてCEマーク認証を取得した。

9月に欧州で販売を開始し、市場シェア10%をめざす。さらに中南米とアジアでも順次、発売していく。

末梢動脈疾患は脚の動脈硬化などで血管が狭くなり血流が悪くなる病気で、高齢化や生活習慣病などにともない増加傾向にある。

治療法としては病変部の狭くなった血管を直径1~2㍉㍍程度のカテーテルの先端に付けたバルーン(風船)で押し広げる方法が、患者の身体的負担が少ないことから世界的に普及している。

薬剤塗布バルーンカテーテルは、バルーンの外周に細胞増殖を抑える薬剤をコーティングした医療機器。バルーンを拡張した時に薬剤が血管壁に接触し、その薬剤が血管組織に移行することで、再狭窄の抑制が期待できる。

カンシャスの特徴としては、塗布した薬剤はバルーンが病変部に到着するまで脱落しづらく、かつバルーンの拡張時には速やかに血管組織に移行するように設計されたテルモ独自の薬剤コート技術『ユニコート』により、均一微細結晶コーティングされているので、より高い治療効果が期待できる。

また、最長200㍉㍍のロングバルーンを取りそろえた製品ラインアップにより、下肢に多い長い病変部にも対応する。