イノベーションを共創へ ー フィリップス
仙台市に研究開発拠点を開設へ
フィリップス・ジャパン(社長=堤浩幸氏、東京都港区)は、日本で初めてのイノベーション研究開発拠点として「フィリップス コ・クリエーションセンター」(PHILIPS Co-Creation Center)を、2019年3月ごろ、宮城県仙台市に設立する。
同社では東北地域が高齢化による医療費の増大や、医師不足など課題が顕在化する一方で、社会問題の解決を図る多くの取り組みが行われている地域として注目。東北地域が社会の変革をリードし、イノベーションの発信に最も適した地域であると考え、仙台市にイノベーション研究開発拠点の設置を決めた。
コ・クリエーションセンターは『異業種が集う場』、『知を創りだす場』、『技術を体感する場』――の3つの場をめざしていく。
異業種が集う場としては同社の社員だけでなく、連携するパートナーが業種を超えて立ち寄り、出会いの場をつくることで、新しいソリューションや、サービスモデル創出につながるコミュニケーションの活性化を図っていく。
知を創りだす場としては、ワークショップ型のデザインシンキングを進める環境を構築するとともに、空間をバーチャル化(例=手術室、病室、救急車)して、顧客視点での創造性を向上させ、議論の活性化を図るほか、新しいアイデア(モノ、IT)を迅速、適応的に試作する環境や機器を導入することで、アジャイル型開発を推進する。
技術を体感する場としては、同社だけでなくパートナーを含めたヘルステック領域の新技術(VRやAR)を導入し、体感できるショースペース、トレーニングスペースを設置して、技術の体得や創造性の向上を図る。
今後はコ・クリエーションセンターを拠点に、日本の医療現場に立脚したソリューションや健康・予防に貢献するサービスモデル、ヘルステックに関する研究開発、事業化を加速させる。
東北大学病院内にサテライトを設置
また、同社ではこれに先立ち発表した東北大学との包括的提携、宮城県と仙台市との連携により、東北大学病院内に「フィリップスコ・クリエーションサテライト」を設置した。同サテライトを活用し、具体的な共創への取り組みも進めていく。