蘭フィジコン社を買収【キヤノンメディカルシステムズ】
医療IT技術の新たな価値提供へ
キヤノンメディカルシステムズ(社長=瀧口登志夫氏、栃木県大田原市)は、オランダの医療情報システムや生体情報収集機器メーカーであるフィジコン社の株式を取得する契約を結び、必要な承認手続きを経て買収した。
フィジコン社は病院内ITシステムやワークフローに関して独自の高度な技術と知見を持ち、心血管モニタリング装置などの製品群を開発、製造している。中でも心臓波形を読み取り、心機能解析を行う機器は、コンパクトで直感的な操作性を実現した先進性のある製品として高く評価されている。
今回の買収により、キヤノンは同社製のX線アンギオグラフィシステムと、フィジコン社製品を連携させ、一体化したソリューションとして市場投入することで、心臓疾患の治療現場のさらなるワークフローの改善に取り組んでいく。
さらに、両社のヘルスケアIT技術を融合させ、術前・術中・術後のフォローアップを含めたトータルケアの実現をめざしていく。
買収にあたり、瀧口社長は「フィジコン社の高い技術力と当社のシステムを組み合わせることで、患者や医療従事者に新たな価値を提供できることを大変に喜ばしく思う」とコメントしている。
近年、不整脈や心筋梗塞などに代表される心臓疾患の患者数は、高齢化にともない増加傾向にあり、患者の負担を軽減する低侵襲治療の重要性が高まっている。