業界団体

「企業倫理」テーマに講演会【日縫協】

医機連の中島・倫理委員長を講師に

「講演会」会場の様子

日本医療用縫合糸協会(会長=小森一央氏、東京都文京区、日縫協)は、1月29日㈪午後5時30分から、東京・湯島の東京ガーデンパレスで、日本医療機器産業連合会(医機連)企業倫理委員会の中島真一郎委員長を講師に招き「講演会」(テーマ=医療機器業界における企業倫理を考える)を開催した。講演会終了後は「賀詞交歓会」を催し、新年のあいさつを交し合った。

講演会で中島委員長は、医療機器業界における企業倫理の最近の動向について「平成29年は医機連会員企業の不祥事はなかった。これも関係各位のご尽力のたまものと考えている。一方、他業界では製造現場不正(無資格者による検査、検査証明書データ改ざんなど)が続出した」と報告した。

中島委員長

製造現場の不正の原因にふれては、①グローバル化による過剰品質感②経営戦略に変化(工場委託など)③プロダクトアウトからマーケットインに変わったことで工場の位置づけが低くなった④ジャパン品質を作ってきた団塊世代のプロのリタイアによる品質継承が不十分⑤経営の精神が変化し現場への関心薄⑥現場の無力感――などを列挙した。

これを踏まえ、「不正の原因を何点か挙げたが、その一方で、日本のガバナンス、コンプライアンスはまだ機能している、との考えもある。不正の露見の大半は内部告発で、それにより失敗の真因を見つけ、直視し、解決につなげているので、不正は起きているが、希望はあると思う」と解説した。

医療機器業界のガバナンス、コンプライアンスに関しては「医療機器業界は生命関連産業として、他業界と比べ倫理観、誠実性、社会貢献意識が高く、コンプライアンスを推進する意識がもともと高い。誇っていい部分だと思っている」との考えを示した。

QMS省令の改訂に向け団結を

小森会長

講演会終了後は賀詞交歓会が開催された。新年のあいさつに立った小森会長は「今年はQMS省令の改訂があるが、行政レベルと業界レベルは温度差があり、文章を読んでも分からないところもある。皆さまの経験などをオープンにして、お互いに色々と話し合い、業界レベルを行政レベルまで高めていければと考えている。皆さまのご理解とご協力をお願いしたい」と呼びかけた。

このあと、開宴した会場では参加者らが新年のあいさつと歓談を交わしながら、今年1年のさらなる飛躍を誓い合った。