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【医機連】2018年の「重点施策」発表

渡部会長が『年頭記者会見』開く

年頭記者会見を行う渡部会長(左から2人目)

日本医療機器産業連合会(医機連)の渡部眞也会長は1月5日㈮午後5時から、東京・大手町のKKRホテル東京で「年頭記者会見」を開き、2018年の医療機器産業の見通しや、医機連の重点施策などについて発表した。

会見で渡部会長は医療機器産業の現状と2018年の見通しにふれ「医療機器の世界市場はCAGR(年平均成長率)で5・2%の成長が予測されている。その中で日本のCAGRは3%だが、中国は9・6%、アジアは7・4%、中東は7%と高成長が見込まれる。また、中国では『中国製造2025』政策の中で、医療機器の国産化が進められており、国産優遇の動きが加速する。今後は日本メーカーも中国市場での対策を考えていかなければならないだろう」と医療機器の世界市場の動きを解説した。

ソサエティ5・0を支える産業へ

渡部会長が昨年6月に医機連会長に就任した時に掲げた基本方針『ソサエティ5・0を支える医療機器産業をめざす』に言及しては「この基本方針には3つの視点があり、1つ目の視点は『より良い医療の実現への貢献』で、地域包括ケアシステムや、病院の機能分化・連携、医療イノベーション、介護人材の確保――などの新たな医療の要請に応えていく。2つ目の視点は『持続的な社会保障システム構築への貢献』で、データヘルスやICTの利活用により、医療の効率化を進めていく。3つ目の視点は『医療機器産業の成長』で、デジタル革命を成長の機会と捉え、日本発の優れた医療機器の開発・事業化を推進していく」と基本方針の詳細を説いた。

3つの重点施策を掲げ各種事業推進

医機連の基本方針を踏まえ、具体的に取り組む2018年の重点施策として、①成長産業としての基盤整備②政策提言とステークホルダーとの連携促進③信頼される産業団体――の3点を列挙、説明した。

具体的には「成長産業としての基盤整備では、新たにデジタル技術などの新たなイノベーションの加速や、エコシステムの強化、中小企業・ベンチャー支援、アジアなどへのグローバル展開支援――などに取り組んでいく。また、未来投資会議で日本の課題として取り上げられた『生産性革命』についても、中小企業が多い医療機器産業として生産性向上につながる活動に注力していく」と述べた。

また、「政策提言とステークホルダーとの連携促進では、健康・医療や介護の改革の進展に寄与する政策提言を引き続き行うとともに、医療現場やアカデミア、地域、関連企業など多くのステークホルダーとの連携を強化していく。信頼される産業団体では、4月に施行の臨床研究法のスムーズな運用への協力などに努めていく」とした。

日本は2025年に団塊世代がすべて75歳を迎える超高齢化社会に向かっていることにふれては「日本の社会は超高齢化に向かい変わろうとしている。健康・医療に関しては、社会からの要請や期待、課題があるが、連合会としてのトータルパワーを集結しそれに応えていきたい。医機連傘下21団体のそれぞれの活動を支援し、医療の進歩と医療機器産業の健全な発展に取り組んでいく」と表明した。