次世代「血管内視鏡カテーテル」開発ー阪大とパナソニック
血管内の前方視が可能なイメージセンサーを搭載
大阪大学(総長=西尾章治郎氏、大阪市吹田市)とパナソニック(社長=都賀一宏氏、大阪府門真市)は、共同研究により、直径1・8㍉㍍ながら約48万画素相当の高画質で血管内の前方視が可能な世界初の「イメージセンサー先端搭載型血管内視鏡カテーテル」の実用化に成功した。
今回の実用化はパナソニックが長年培ってきたカメラの超精密加工技術や超解像技術により、直径1・8㍉㍍ながら約48万画素相当の高画質を実現したことで、血管内の動脈硬化の様子や、石灰化の様子、血栓、ステント留置後の状態などを、フルカラーで対角90度と広視野角に血管内を詳しく観察することが可能となった。
これにより、血管内治療時に、前方をリアルタイムに観察しながらガイドワイヤーなどの操作を行うことができ、完全閉塞病変などの難易度の高い治療症例でも、前方方向の治療ターゲット部位の情報をリアルタイムに提供する。
今回の共同研究は、大阪大学の南都伸介元教授と大阪大学国際医工情報センターの岡山慶太特任教授らの研究グループが、2013年11月にドイツ・デュッセルドルフで開催された国際医療機器展MEDICAで、パナソニックの技術に出会い、構想中だったイメージセンサー先端搭載型血管内視鏡カテーテルに活用できると考え、帰国後、直ちにパナソニックとの共同研究体制を立ち上げたのが始まりとなる。
その後、14年度からは産学医工連携プロジェクトを発足させ、経済産業省や日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携事業化推進事業の支援を受け、基礎実験や動物試験などの実証実験と設計開発のサイクルを重ね、約4年をかけ実用化を達成させた。