技術・製品

世界最小クラス止血クリップ開発【河野製作所】

リンパ浮腫手術などで使用される新製品

世界最小クラス・全長6.5mm のディスポーザブル体内用止血クリップ「ピコクランプ」SS サイズ

河野製作所(社長=河野淳一氏、千葉県市川市)は、リンパ浮腫などの手術に使われる世界最小クラスとなる全長6.5㍉㍍のディスポーザブル体内用止血クリップ「PICOCLAMP(ピコクランプ)」SSサイズを開発した。マイクロサージャリーのよりスムーズな実施に貢献する新製品として、9月14日に販売を開始した。

河野製作所はこれまで、直径0.03㍉㍍の世界最小の針や、その針をつかむ「Neo持針器」の開発を通じて、マイクロサージャリーの実施環境を整備してきた。その一環として、ピコクランプの既存のS・M・L・LLサイズに続く新ラインアップとなるSSサイズの「シングルタイプ」と「ダブルタイプ」の2種を発売した。

ピコクランプSSサイズは、0.5㍉㍍以下の微小血管を挟み、手術中に一時的に血流を遮断するために使用する。ダブルタイプは指尖部再接着手術、シングルタイプはリンパ浮腫の治療法の一つであるLVA(リンパ管静脈吻合)での使用が見込まれている。

また、ピコクランプSSサイズは、医師のニーズに反映した製品設計により、顕微鏡下での繊細な操作を必要とする微小血管手術をより円滑に行うための工夫が盛り込まれている。まず、素材面では、樹脂の中でも高い剛性を持つPEEK材を採用。これにより、市場にある他の樹脂クリップと比べ、血管を挟んだ際のクリップの反り返りを防ぐことができる。

「くちばし構造」で操作性が向上

構造面では、先端に世界初の「くちばし構造」を新たに採用したことで操作性を向上させた。従来、手術中に血管を縫う際、血管を引っ張ったり、反転したりする動作が生じるが、くちばし構造によって血管がクリップから外れにくくなり、手術をよりスムーズに進められる。

血管を挟む面には突起を設けているため、必要な把持力を確保しながらも、突起を丸い構造にしたことで血管損傷の低減を図った。さらに、ディスポーザブル製品のため、リユーザブルの金属クリップのように、繰り返しの洗浄・使用による把持圧低下の心配がない。

ピコクランプSSサイズの開発にあたっては、既存のS・M・L・LLサイズの開発で培ってきた難加工のPEEK材を社内で射出成形できる技術が土台となっている。開発段階から製品の最終イメージを描けたことで、これまでのラインアップより小さいクリップの製品化が実現した。