陽子線治療AI開発へ【アイラト】
シンガポール国立がんセンターと共同で
東北大学発の医療AIスタートアップ企業のアイラト(代表取締役=木村祐利氏・角野倫之氏、宮城県仙台市)は、シンガポール国立がんセンター(NCCS)と陽子線治療に関するAI要素技術の共同研究契約を締結し、研究開発を開始した。期間は2026年から28年までの2年間。
共同研究では陽子線治療がより適した患者を精度高く見極めるための判定支援技術の開発や、巨大で複雑な陽子線治療システムの運用でAIを用いて治療工程の精度を向上させる技術の開発に取り組んでいく。
陽子線治療は腫瘍にエネルギーを集中させる先進的な治療法で、その物理的特性を最大限に活用するためには、患者ごとの適切な適応判断と治療現場でのきめ細かな運用が求められる。
NCCSはニューズウィーク誌「アジア太平洋がん専門病院ランキング2025(腫瘍学)」でアジア太平洋125施設中第6位に選出された東南アジアを代表するがん専門機関で、東南アジアからは唯一のトップ10入りを果たしている。
アイラトはAI技術を活用して放射線治療の計画策定を支援するソフトウェアの研究、開発を行っている。これまでも海外の研究機関とX線治療(IMRT)領域でのAI共同研究を進めてきたが、陽子線治療AIへの取り組みは今回が初となる。
今後、アイラトはNCCSとの共同研究を通じて、グローバルな臨床基準に合致するAIモデルを構築し、その成果を共同論文発表などで世界に発信していく。