「2026年度活動方針」発表【J I R A】
画像医療システム産業ビジョンの具現化へ
日本画像医療システム工業会(会長=瀧口登志夫氏、JIRA)は、国際医用画像総合展(ITEM2026)の開催初日の4月17日㈮午前11時30分から、展示会場のパシフィコ横浜内で「記者会見」を開き、2024年に発表した『画像医療システム産業ビジョン2030』(別掲参照)の具現化に向けた26年度JIRA活動基本方針を発表した。

記者会見で瀧口会長は2026年度のJIRA活動基本方針について「活動方針は『画像医療システム産業ビジョン2030』の5つのビジョンにそれぞれ対応した5項目と、JIRA基盤活動の項目で構成している」と説明した。
具体的に画像医療システム産業ビジョン2030の1項目の「JIRA産業の振興と関連領域との連携強化」への対応では、JIRAとして昨年から第3期医療機器基本計画の27年度策定に向けて発足した検討会やタスクフォースの活動に参画し、ステークホルダーと連携しながら課題解決に向かっていく方向性を提案してきた――ことを踏まえ、3月の検討会で公表された中間取りまとめで採択された3つの基本方針を元に計画内容の具体化に取り組んでいく。
また、肺がんの早期発見への貢献を目指したチーム活動⑴として、昨年度に発足した「低線量CT肺がん検診支援チーム」で、低線量肺がん検診の社会実装後の普及に向け、学会と連携した啓発活動の企画や実施、そして低線量CT肺がん検診モデル事業への貢献を行っていく。
肺がんの早期発見への貢献を
2項目の「データが変える医療の実現に向けた環境整備」では、肺がんの早期発見への貢献を目指したチーム活動⑵として、専門チーム「胸部X線肺がん検診へのAI―CAD活用提案チーム」で、胸部X線肺がん検診において「AI―CADを利用した読影支援システム」を活用するため、検診データでのエビデンス構築を学会、行政と連携して推進する。
さらに、次世代医療基盤法の改正で「仮名加工情報」の利用が可能となったが、いまだに利活用の促進に課題のある医用画像データに関し、最適なデータ収集・保管・利活用環境の整備に取り組んでいく。
一方、販売業、貸与業、修理業の許可・登録手続きに関しては、日本医療機器産業連合会(医機連)の検討ワーキングへの参画を通して、申請書類の早期平準化を進めるとともに、本社一括管理を軸とした業態DB新設案を含む効率的な許認可制度設計の提案を行っていく。
3項目の「医療機器に即した法規制、保険制度等の実現」では、市販前審査に関わる基準やプロセスのさらなる最適化への活動として、医療機関が購入後に行うプログラム医療機器(SaMD)のパソコンへのインストール依頼を、据え付け時に販売業者がインストールできるよう改善に向け働きかけるほか、SaMDの適正認証に向けた主機能と付帯機能の再整理による申請事例の見直しにも取り組んでいく。加えて、効率的な発行が望まれている自由販売証明書(FSC)の発行手続き改善に向けた活動を行っていく。
また、診療報酬や補助金などの制度への提言として、技術料の加算評価の評価軸や評価係数の明確化のため、特にSaMDについて保険収載における予見性の確保に向けた活動を推進していくとともに、医療DXへの対応による設備投資について即時償却や税額控除を要望していくほか、新設された「大胆な投資促進税制」の医療機器への適用を要望していく。
IMDRF活動で2つの提案へ
4項目の「グローバル市場での競争力の強化」では、IMDRF(国際医療機器規制当局フォーラム)での活動として、9月の会合で2つの提案を行う予定。その内容は▽規制当局との合同ワークショップではデジタルヘルスをテーマにAIやPCCP(事前変更管理計画)、デジタル申請などについてDITTA(国際画像診断・医療IT・放射線治療産業連合会)の総意のもと提案する▽管理委員会と産業界グループとの二者間会合では30年発行予定の国際規格(IEC60601―1第4版)を各国で整合したタイミングで導入すること、そして基本要件と規格のマッピングガイダンス作成を提案する――の2事項となる。
また、国際展開における重要案件として、米国関税措置やレアアースマテリアルに関する輸出管理、中東地域紛争――などについて情報収集・分析を行い、行政への提言を行っていく。
加えて、世界に先駆けて医療機器化されたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)用装置の安全性や基本性能の観点から国際標準化や、世界第2位の稼働実績を持つ粒子線治療における最新の機器設計や機能更新を国際標準に反映させることを推進していく。
サイバーセキュリティに対応へ
5項目の「持続可能な医療を提供する産業構築」では、医療機器のサイバーセキュリティ対応として、医機連のワーキングなどステークホルダーとの連携を強化するとともに、運用面からの意見・要望の収集やセキュリティ対策の提言や啓発活動を促進していく。
また、有事での医療の安定的な提供に向けて、自然災害の多い日本における医療の安定供給・稼働を確保するため、ステークホルダーとの連携を強化し迅速に対応できるよう、システム整備・情報連携体制の強化に取り組んでいく。
さらに、装置の買替年数長期化の課題整理と施策の具体化として、今年度は主要因の調査、装置更新の延伸による影響の整理を行い、具体的な施策の立案を行っていく。
そのほか、JIRA基盤活動の充実に向けては、医療機器産業の人材育成として行っているビデオ・オン・デマンド配信セミナーに関して、26年度は商品企画・設計・開発担当に携わる人を対象とした「臨床理解セミナー」をカリキュラムに加え、リニューアルオープンした。
また「カンファレンスパーク」を活用し、医療従事者やアカデミア関係者が日常の業務や研究活動を通じて得たノウハウやアイデアを製品に結びつける取り組みとして医工連携サービスの提供を計画している。
さらに、コンプライアンスの徹底に向け、患者の健康や命に関わる医療機器業界として法令を遵守し社会に貢献するため一層、意識を高めるよう、会員企業への周知徹底に取り組んでいく。
「画像医療システム産業ビジョン2030」
① JIRA産業の振興と関連領域との連携強化
② データが変える医療の実現に向けた環境整備
③ 医療機器に即した法規制、保険制度等の実現
④ グローバル市場での競争力の強化
⑤ 持続可能な医療を提供する産業構築