企業活動

金属アレルギー対策に提言【メディカルエルスト】

医師・メーカー・当事者でトークイベント

トークイベントを行う(右から)オカダ医材の岡田典久会長、メディカルエルストの岡田桂氏、ブロムダールのエマ氏、タレントの原千晶氏、銀座リプロ外科の永尾光一院長

オカダ医材(会長=岡田典久氏)のグループ企業でアレルギーフリーピアスのグローバルブランド「ブロムダール」の国内正規代理店であるメディカルエルスト(社長=松川祐二氏、東京都文京区)は、2月25日㈬午後4時から、東京・湯島の同社ショールームで「金属アレルギーとピアスとの向き合い方」をテーマに、医師・医療機器メーカー・北欧メーカーが登壇するメディア向けトークイベントを開催した。

イベントでは事前に実施したピアスに関するインターネット調査の結果をもとに、トークを繰り広げた。日本国内の15歳~29歳の男女を対象にした調査では、ピアスを「現在している」が21%、「過去にしていた」が7%となり、約3割がピアス経験者で、男性は5人に1人がピアスをしている。

この点について、オカダ医材の岡田会長は「私どもは29年前からピアスを販売しているが、当初からしてみてもピアスをする人は相当増えている。男性に関しては皆無でしたが、現在は男女ともにピアスをしている人が増えていると感じている。高校や大学の卒業時にピアスの穴を開け、ピアスを購入する人が多く、弊社も2・3月の売り上げが圧倒的に多い」と語った。

アレルギーフリーピアス「ブロムダール」

ピアスを開ける前に「不安や抵抗感があったか」の調査では「強くあった」が25%、「少しあった」が41%と、計66%が「不安や抵抗感があった」と回答した。

これについて、ブロムダールのスウェーデン本社から来日したエマ氏(エキスパートマネージャー)は「ヨーロッパでもピアスを開ける前に不安や抵抗感を感じる傾向にある。ブロムダールのアクセサリーは皮膚科医と共同開発しており、素材は純チタンや医療用プラスチックを用いている。ヨーロッパではアクセサリーの中に含まれるニッケルなどの化学物質を規制する『REACH規制』があるが、ブロムダールのアクセサリーはREACH規制の規制よりも更に安全に作られており、金属アレルギーに対する意識を高めてもらえるような取り組みをしている」と述べた。

違和感を感じたら早めに病院受診を

ピアス装着後に赤み・かゆみ・腫れなどを経験したことがあるかの調査では「頻繁にある」が15%、「数回ある」が45%、「1回だけある」が14%と、74%が違和感を持った経験があった。

この結果を踏まえ、銀座リプロ外科の永尾光一院長は「ニッケルアレルギーにより赤みや腫れを起こす人がいる。赤みが長く続き、浸出液が出る場合は細菌に感染する可能性も高く、感染すると菌が全身に回って心臓までいくこともある。感染が疑われる場合などは放置せずに早めに病院を受診してください」と警鐘を鳴らした。

現在、使っているピアスの素材を正確に把握しているかの調査では「正確に把握している」が17%と少数だったことを踏まえ、ユーザーを代表として登壇したタレントの原千晶さんは「金属アレルギーに対応したジュエリーがあることは恥ずかしながら知らなかった。ジュエリーが何の素材でできているか知らずに身につけている人が多いと思う。自分がどんな素材のものを身につけているか知るべきだと思う」とコメントした。

金属アレルギーについてどの程度知っているかの調査では「症状や原因まで知っている」が20%、「名前は知っているが詳しくは知らない」が42%、「あまり知らない」が25%、「ほとんど知らない」が13%の結果になった。

これを受けて、岡田会長は「金属アレルギーについて理解を深めていただきたい。金属アレルギーでなかった人でも粗悪な素材のピアスをつけ続けていると、突然発症するリスクもある。予防のためにも良い素材のピアスをつけていただたい。そのためにもメーカーとして表示義務も含めて良い製品を作っていき、それを啓蒙していくことが課題だと考えている」と語った。

ピアス素材表示の透明化へ

トークイベントの終了後は、会場を隣接のオカダ医材4階の会議室に移し、メディカルエルストの岡田桂氏が同社の活動や今後の方針について説明した。

岡田氏は「弊社は1997年にオカダ医材の関連会社として設立した。翌98年からブロムダールの日本総代理店として同社製ピアスの販売を開始した。当初はクリニック向けに医療用ピアスを販売していたが、2015年に一般消費者向けポップアップイベントを開催し、23年に湯島に初のリアル店舗をオープン(不定期)した」と同社の歩みを解説した。

今後の方針にふれては「日本ではピアスの素材に対する認知度が低く、安心・安全なアレルギーフリーピアス市場の実現を目指すことが弊社の課題となる」とし、課題への取り組みとして、①素材表示の透明化②医療との連携強化③正しい情報発信――の3本柱を挙げた。

具体的には「現在、取り引きがある全国の500以上のクリニックに直接訪問して、医療現場の皆さまの声を聞くほか、店頭やSNSで専門的で正確な情報をわかりやすく伝えていく。ブロムダールの本国同様にピアスはファッションであると同時に肌に直接触れる医学的配慮が必要な製品であることを日本国内でも広げていきたい」と力を込めた。

また、ブロムダールのエマ氏は同社の製造工程について言及し「製品の開発・製造・発送までスウェーデン本社で行っている。製造はクリーンルームで行われ、すべての製造工程は記録に残し、各製品がいつ作られたのか追跡が可能となっている。ピアスはヨーロッパで医療的な認証は必要ないが、日米では厳しい認証も必要なためISO13485を取得している」と品質の高さを強調した。

ピアス素材は純チタン、医療用プラを使用

同社製ピアスの素材である純チタンや医療用プラスチックに関しては「純チタンは歯科用のインプラントと同じ素材で、医療用プラスチックは手術用縫合糸と同じ素材を、それぞれ使っている」と生体適合性の高さをアピールした。