技術・製品

在宅療養環境の質向上へ【パラマウントベッド】

在宅介護用ベッドの新製品投入

在宅向け介護用ベッド「楽匠Fit」

パラマウントベッド(社長=木村友彦氏、東京都江東区)は、在宅向け介護用ベッドの新製品「楽匠Fit(フィット)」シリーズを8月末に発売する。楽匠Fitシリーズは高齢化の進展にともない在宅療養のニーズが高まる中「誰もが心地よく過ごせる療養環境」の実現を目指し、開発された。

楽匠Fitシリーズは「楽匠プラス」シリーズの後継機種。同製品には再生された樹脂材を含有した樹脂ボードを採用した。これは広域認定制度(製造事業者が自社製品の廃棄物を回収し適正処理または製品原料等にリサイクルすることを認める環境省の特例制度)を活用して回収した同社製の使用済み樹脂ボードを、新たな樹脂ボードへと再生する「水平リサイクル」によって実現されたもので、水平リサイクル部品を採用したベッドとしは日本初の事例となる。

楽匠Fitシリーズは従来のラクリアモーションを継承しながら、ずれ軽減と体圧分散を強化した新構造「フィットラインボトム」を採用した。骨盤をしっかり起こす背上げ構造や腰部のサポート形状により、背上げ時のずれ量を軽減し、安定した姿勢保持を可能にした。

また、ボトム臀部付近に搭載した凹形状は仰臥位や背上げ時の仙骨部圧力にも配慮した設計で、床ずれリスクの軽減にも配慮している。

新たに採用した「液晶タッチパネル手元スイッチ」は、片手操作にも配慮し、スマートフォンに近いサイズ感と持ちやすさを追求した。操作ボタンの表示やボタンサイズなどを1人ひとりに合わせて調整が可能。高齢者の片手操作にも配慮したサイズ感で、操作時には振動するので直感的にわかりやすい設計となっている。

足元の視界を開放する「パノラマデザイン」や、停電時でも乾電池で背・膝の下げ動作を可能とするバックアップ機能も標準搭載し、介護を支える人と介護を受ける人双方の安心感に配慮した設計となっている。

一方、楽匠Fitシリーズは、ユニット共通化の徹底により、福祉用具貸与事業者にとっての在庫効率・稼働率向上に大きく貢献する。ボトム部の長さと幅の共通化に加え、手元スイッチの共通化も実現した。

楽匠Fitシリーズの価格はオープン価格で、初年度に3万4,000台の販売を計画している。