「第100回日本医療機器学会大会」【日本医療機器学会】
医療機器の課題や方向性を議論

日本医療機器学会(東京都文京区)は、6月12日㈭~14日㈯の3日間を会期に、神奈川県・みなとみらいのパシフィコ横浜で「第100回日本医療機器学会大会」(大会長=加藤伸彦・北海道情報大学医療情報学部医療情報学科准教授)を開催した。第100回の節目の大会となった今回は「未来への架け橋―伝統と革新の融合」をテーマに掲げ、シンポジウムやパネルディスカッション、各種講演会など様々なプログラムが企画され、期間中、全国各地から多くの学会員が参加し、テーマごとに討論を繰り広げた。また、大会併設の「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2025」には連日にわたり、多くの来場者が訪れ、にぎわいをみせた。
大会初日の6月12日は、4会場でマネジメントセミナーとMDIC(医療機器情報コミュニケータ)ポイントセミナーが行われ、同学会が認定している滅菌技師・士や臨床ME専門認定士、MDICを中心に多くの学会員が聴講に訪れた。
大会2日目の6月13日から学術集会は本格的にスタート。午前8時55分に「開会の辞」に立った加藤大会長は「今大会のテーマである『未来への架け橋―伝統と革新の融合』は、第100回の歴史的な大会ですので、先人たちの偉業に敬意を表すとともに、われわれが今後、新たな創造に向け頑張っていくことを祈念して掲げた。プログラムはプログラム委員の方々のご尽力により非常に中身の濃い内容となっている。今日から2日間、楽しみながら勉強していただきたい」とあいさつした。
このあと、2日間にわたり、5会場を使いシンポジウム12題、パネルディスカッション6題、大会長講演、第100回大会記念講演、教育講演6題、ランチョンセミナー7題、一般演題152題――などが組まれた。参加者らは同学会の先人たち築き上げた伝統と知識基盤を受け継ぎながら、医療機器関連課題の解決策や、同学会の未来に向けた提案などについて活発な討論を展開した。

「メディカルショー2025」開催
出展各社が最新医療機器を紹介
一方、大会併設の医療機器展示会「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2025」には、医療機器関連企業62社が出展し、最新の医療機器を紹介した。

オープニングセレモニーは6月12日午後12時50分から、パシフィコ横浜展示ホールA前で行われ、あいさつした加藤大会長は「今大会は今年で100回を迎える記念すべき大会で、メディカルショージャパンも100回大会にふさわしい内容となっている。企業展示のみならず、医療機器の歴史を見れる展示や、セミナー、特別企画などが行われる。この3日間、新しい医療機器を体感していただくとともに楽しんでいただきたい」と述べた。続いて、加藤大会長と高階雅紀理事長、松原一郎事業体部会長によるテープカットが行われ、メディカルショーは開幕した。

開幕した会場では出展各社が最新鋭の滅菌装置や患者モニター、注射針、カテーテル、輸液用器具、手術台、人工呼吸器、電気メス、鋼製器具、ベッド、部品・部材――など様々な医療機器を展示した。来場者らは医療現場を効率化する医療機器の最新情報を求め、会場内を見て回り、各ブースの説明員から展示品の詳しい説明を受けていた。

また、展示会場内で「公開セミナー」が行われ『医療機器産業の未来と展望』、『医工連携から海外展開へ』などをテーマに有識者が講演した。さらに企業プレゼンテーションやツアーコンダクターによる会場ツアーも実施され好評を博した。

100回大会を記念しては、日本医科器械資料保存協会が印旛医科器械歴史資料館に保存している歴史的に貴重な医科器械が特設コーナーに展示された。来場者らは100年間の医療機器の進化を目の当たりにして興味深く見学していた。

2日目の6月13日の午後5時30分からは、出展企業と学術集会参加者との懇親会「ハッピーアワー」が展示会場内で催された。アルコールも提供され、和やかな雰囲気の中、情報交換と懇親を深め合った。