「第16回サクラ病理技術賞」授賞式【サクラファインテックジャパン】
病理技術の研究や活動を表彰
病理検査機器・器材のトータルサプライヤーであるサクラファインテックジャパン(社長兼CEO=石塚悟氏、東京都中央区)は、7月21日㈰、東京・日本橋のベルサール東京日本橋で「第16回サクラ病理技術賞授賞式」を開催した。今回は奨励賞に1名が輝いた。
サクラ病理技術賞は同社が2008年に創設した褒賞制度。病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げた人を表彰している。
今回は九州大学病院病理診断科・病理部の大久保文彦氏が奨励賞を受賞した。大久保氏は肺がん診療の遺伝子検査における作業効率化や検体の有効活用、多職種との連携による情報共有などに注力し、オンコマインマルチ検査の成功率の安定化とプレアナリシスの構築を推進したことが評価された。
授賞式の開会にあたり、あいさつした石塚社長が「日臨技のサクラ病理検査賞が2006年に終了したあと、このサクラ病理技術賞を2008年に立ち上げてから16年が経過した。その間、42名、3団体の受賞があった。そして名誉ある受賞者に大久保様が加わった」とし、受賞者にお祝いの言葉を述べた。
装置メーカーと技師は車の両輪
また「私たち装置メーカーは標本作製の自動化を進めていく立場にあるが、機械は機械自身では進歩できず、技師の方々の技術の進展があって初めて機械も進歩する。その意味では皆さまと弊社は自動車の両輪のような関係かもしれない。サクラ病理技術賞がそれらの課題に取り組む皆さまのモチベーションの一助になることを祈念し、今後も20年、30年とサクラ病理技術賞が病理技術の発展を支える皆さまとともに、歩んでいけたらと思う」と語り、関係各位に感謝の意を表明した。
このあと、来賓の日本病理学会の小田義直理事長、日本臨床衛生検査技師会の横地常広会長、日本臨床細胞学会細胞検査士会の阿部仁会長が、それぞれの立場で祝辞を述べた。
ここで、選考委員長の東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野の牛久哲男教授が選考総評を説明し、大久保氏に記念のオーナメントが授与された。
これを受け、大久保氏は記念プレゼンテーションを行い、受賞テーマである「肺がんゲノム診療における病理検体のプレアナリシスの構築」について発表した。
最後に、サクラグローバルホールディングの松本謙一会長の『閉会あいさつ』で、授賞式は終了した。