高精度な病理標本作製を支援【サクラファインテックジャパン】
「改良版封入剤付きフィルム」上市
病理検査機器・器材のトータルサプライヤーであるサクラファインテックジャパン(社長兼CEO=石塚悟氏、東京都中央区)は、病理標本の作製に用いる封入剤付きフィルム「ティシュー・テックカバースリッピングフィルム」の新バージョンを発売した。
カバースリッピングフィルムはフィルム式自動封入装置「ティシュー・テックフィルム」で使用するフィルム。新バージョンでは原材料の一部を環境に配慮したものに切り替えると同時に、封入時に発生する染色液由来のにじみやアーチファクトを抑え、より精度の高い標本作製をサポートする。
病理標本作製の工程における封入は、染色された組織の切片をスライドガラスに固定し、カバーガラスやフィルムで保護するプロセスとなる。同封入剤付きフィルムでは従来のガラス封入で必要とされる封入剤(接着剤)の滴下や乾燥が不要で、封入が完了次第、直ちに画像スキャンや鏡検ができる。デジタルスキャナ装置などの活用にも適しており、医療現場のさらなる省力化やデジタル化に貢献する。
がん患者の増加や高齢化による検体数の増加、個別化医療の進展により、病理診断の現場では病理標本作製の標準化や精度管理が一層求められている一方で、医療DXの進展により、ガラス標本上の組織を専用スキャナでデジタル化して画像診断を行うなど、病理診断でのデジタルパソロジーの普及も急速に進んでいる。
カバースリッピングフィルムの価格は1箱5巻入りで13万9,000円。