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「第99回日本医療機器学会大会」開催【日本医療機器学会】

講演会など多彩なプログラムを展開

「第99回医療機器学会大会」会場の様子

日本医療機器学会(理事長=高階雅紀氏、東京都文京区)は、6月20日㈭~22日㈯の3日間を会期に、神奈川県のパシフィコ横浜で「第99回日本医療機器学会大会」(大会長=林正晃・第一医科社長)を開催した。大会テーマに『医療と技術の融合をマネジメントで支えDXで加速する』を掲げ、シンポジウムや講演会など多彩なプログラムが展開された。期間中、全国から多くの学会員らが聴講に訪れた。また、大会併設の「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」にも連日、多くの来場者で会場はにぎわいをみせた。

大会初日の6月20日は、マネジメントセミナーが開かれ「材料部のマネジメント」、「働き方改革」、「展望」、「医療機器運用・管理の国際規格、病院機能評価、手術医療実践ガイドライン」の4テーマごとに、関連した16の講演が行われた。

メディカルショーの開会式でテープカットを行う(左から)高階理事長、林大会長、松原事業体部会長

セミナーには同学会が認定している滅菌技師・士やMDIC(医療機器情報コミュニケータ)、臨床ME専門認定士らを中心に、多くの学会員らが参加し、各講師の講義を熱心に聞き入り、知識の向上に努めた。

大会2日目の6月21日から学術大会は本格的にスタートした。〝開会の辞〟に立った林大会長は今大会テーマ『医療と技術の融合をマネジメントで支えDXで加速する』に言及し「医療と技術は当学会の本分なので、これにキーワードとしてマネジメントとDXを付け加えさせていただいた。今日から2日間、皆さまには日々の研究成果を発表いただき、それを共有しディスカッションして、今後の活動に役立つような気付きが得られれば幸いです」と述べた。

「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」会場

自身が企業人であることにふれては「病院の先生方と違い、企業の人間が大会長を務めるので、これまでの大会とは違うことを試みている。1つには服装に関して、事前に皆さまにもメッセージを出させていただいたが、リラックスして討議できるように、服装はカジュアルスタイルでやらしていただいている」と語った。

そのほかの試みに関しては「本日17時からメディカルショーの会場でハッピーアワー懇親会と称して学術大会参加者と出展社とのコミュニケーションの場を提供する。また、メディカルショーでは特別企画としてブースツアーと称してツアーコンダクターがブースを案内する企画をしている」とメディカルショーへの参加も呼びかけた。

「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」会場

このあと、大会は2日間にわたり、4会場を使い、医療機器の最新のトピックスとして、安全対策やバーコード、人材マネジメント、再製造単回使用医療機器(R―SUD)、サイバーセキュリティ、QMS、AI技術、物流2024年問題――などをテーマに、シンポジウム5題、パネルディスカッション4題、教育講演5題、大会長講演、特別講演3題、ランチョンセミナー7題、一般演題125題――など多彩なプログラムが展開され、参加者間で活発な議論を繰り広げた。

「メディカルショージャパン」併設
5,300人が来場し連日にぎわう

一方、大会併設の医療機器展示会「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」には、医療機器関連企業57社が出展し、最新鋭の医療機器を紹介した。

「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」会場

開会式は6月20日午後12時50分から、パシフィコ横浜展示ホール前で行われた。冒頭、林大会長は「昨今、リアルでのこういった会は入場者数が少ないといわれている。そこで対面で皆さまがリラックスした形で話ができればと思い、なるべくカジュアルな格好で来ていただけるよう、メールでご案内した。少しでもリラックスして多くの方が対話できれば幸いです」とあいさつした。

このあと、林大会長と高階理事長、松原一郎事業体部会長の3人がテープカットを行い、メディカルショージャパンは開幕した。

開幕した会場では出展各社が医療現場の安全性、効率化を支援する最新鋭の診断機器や治療機器、洗浄・滅菌装置、手術器械、介護機器、福祉機器――などを展示。3日間で5,300人が来場し、連日にわたりにぎわいをみた。

「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」会場

特別企画として、ツアーコンダクターが各ブースを案内する「会場ツアー」が行われ好評を博したほか、会場には「人材・キャリアサロン」や「開発・医工連携サロン」が常設され、専門員らが来場者にそれぞれの特徴や魅力を伝えていた。

展示会場内には2つの公開セミナー会場が設けられ「開発・医工連携のデザイン」と「医工連携を成功に導くために」をテーマに有識者らが講演を行い、その後、聴講者との質疑応答が活発に行われていた。

恒例の日本医科器械資料保存協会による特別展示は、印旛医科器械歴史資料館に保管されている歴史的に貴重な医科器械のパネル展示が行われ、来場者らの注目を集めていた。

「メディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2024」会場

そのほか、全体懇親会が大会2日目の21日午後5時から、展示会場内で催され、学術集会参加者やメディカルショー参加者、出展社らが参加した。5時30分からはアルコールも提供され、和やかな雰囲気の中、コミュニケーションを深め合った。