業界団体

「第Ⅳ期みらプロ」スタート【医機連】

医療機器産業の未来を担う人財育成へ

「第Ⅳ期みらプロ」でのワークショップの模様

日本医療機器産業連合会(医機連)は、医療機器産業・業界の活性化と未来を託す人財の育成を目的に「第Ⅳ期医療機器のみらいを担う人財育成プロジェクト」(みらプロ)を開始した。その第1回目となるワークショップを5月9日㈭午後1時から、東京・本郷のフクダ電子ホールで開催した。

みらプロは医療機器企業の次代を担う若手従業員らに、▽医療機器産業について知り、みらいを考えるきっかけを提供▽産業界(医機連)の活動について知る機会を提供▽行政(の若手)メンバーとの交流の場を提供――することを狙いとし、第Ⅳ期は「持続可能な医療を支える医療機器の産業としての在り方―規制・開発・患者安全・社会保障の視点から考える―」をメインテーマに活動を展開していく。

参加メンバーは業界側が26名、行政側が14名(厚労省3名、PMDA8名、経産省1名、AMED2名)の計40名。1年間を1期として、1か月おきの頻度で計6回のワークショップを開催。毎回、違うテーマごとに講師を招へいし、講義を聞いたあと、グループごとにテーマにそった議論を行う。その後、議論結果をグループごとに発表し、参加者間で質疑応答も行う。6回目には最終報告会として、グループごとにこれまでの成果を報告することになっている。

松本最高顧問

第1回目ワークショップの開会にあたり、あいさつした、みらプロ最高顧問の松本謙一副会長はビスマルク(ドイツ)の『賢者は歴史から学び遇者は経験から学ぶ』を引用して「経験値という言葉があるように、経験も貴重で、私は『凡者は双方(歴史と経験)から未来を学ぶ』と考えている」と説いた。

AIの時代であっても思うこととして「常にグローバル化を念頭に置き、現場を見て、知ることが大事になる。人間関係(人脈)の開拓や、コンプライアンスも欠かせないキーワードとなる」と語った。

また、自身が心に刻んでいる3つの心(①利他の心②協業の心③ユーモアの心)に言及しては「何事も他人の幸せを思うことが大切だ。自社だけ何かを始めるにしても時間とお金がかかるので、協業もビジネスには大事になる。人を楽しませ、笑わせることから色んなアイデアが生まれてくる」と述べた。

医療機器の世界市場規模は約6000億㌦(約90兆円)で、今後も年率5.7%で伸長することが予測されていることを踏まえ、医療機器の3つのキーワードとして、⑴安定供給⑵医療DX⑶医療費の適正利用、医療機関の適正配置――を解説し「何事も、まずは俯瞰的(ふかんてき)に見て考えることが大事」とした。

このあと、第1回ワークショップでは、講師の医療機器センターの中野壮陛専務理事が「産業振興政策と規制政策―未来から学ぶ」をテーマに講演した。参加者らは医療機器の産業振興政策と規制政策の両面を学び、未来を創造するための議論を行った。