医工連携

AIで早期胃がん判定【岡山大学、両備システムズ】

「早期胃がん深達度AI診断支援システム」開発

岡山大学学術研究院医歯薬学域の河原祥朗教授と両備システムズ(社長=松田敏之氏、岡山県岡山市)は、内視鏡検査の画像をもとに、AIを用いた早期胃がんの深達度を判定し、医師の診断補助を行う「早期胃がん深達度AI診断支援システム」を開発した。

同システムはオージー技研(社長=奥田宏氏、岡山県岡山市)によって、医療機器製造販売承認を取得した。AIを活用した早期胃がんの深達度診断を支援する医療機器として日本で初承認となる。

早期胃がん深達度AI診断支援システムは内視鏡で撮影された早期胃がん画像に対するAIの解析結果をもとに、正診率82%の精度で、深達度の判定を行い、医師の診断を支援する。

その精度を実現するため、医師がわかりやすい実際の診断でも使えるような画像を選別し、またさまざまな条件下での内視鏡検査に対応するために、1枚の画像から多様なパターンの画像(多様な角度、撮影機器など)を作成し、AIに読み込ませることで研究を進め、製品開発に取り組んできた。

両者は他部位の疾患についても製品化に向けて研究を行っており、今後、大腸や胆道、すい臓分野でのAI画像診断支援や、内視鏡染色検査でのAI技術活用を進め社会実装化を目指す。

日本における胃がんの罹患率は大腸がん、肺がんに続き第3位となっており、毎年4万人以上が亡くなっている。胃がんは病期が進行すると死亡率が高まるが、早期に発見すれば十分に根治可能な疾患。しかし、早期胃がんの深達度の判定は難しく、専門医でも正診率は72%程度と言われている。