「講演会」「賀詞交歓会」開催【日医工】
会員や来賓の武見厚労相ら多数出席
日本医療機器工業会(理事長=松本謙一氏、東京都文京区、日医工)は、1月9日㈫午後4時30分から東京・丸の内のパレスホテル東京で「特別講演会」を開いたあと、6時から「2024年賀詞交歓会」を開催した。賀詞交歓会には会員をはじめ、来賓の武見敬三厚生労働大臣や国会議員、行政機関の担当官、関係団体の役員ら多数が参加した。
特別講演会ではオトバンクの上田渉会長が『聞き入る文化』をテーマに、同社が提供する書籍を朗読したものをデータ化した音声コンテンツ「オーディオブック」について、その有効性を解説したほか、同社設立からオーディオブックの会員登録数が200万人(2021年度)を突破するまでの歩みを講演した。
上田会長は「オーディオブックは通勤やスキマ時間を有効活用して読書ができる。倍速再生にすれば時短読書が可能で、ビジネス書や自己啓発本の場合、通常の1.5~2倍速でも十分に理解できる。読書スピードの速い人は1分間に600文字を読むが、オーディオブックは2倍速で1分間に700文字が読め、約2時間で1冊を読むことができる」とオーディオブックの有効性を説いた。
また、上田会長は「約500人のビジネスパーソンを対象に認知特性を調査したところ、耳からインプットが得意な人が全体の69.8%で、音声学習が向いている人が多く存在することが分かった。その結果、社内教育には読書やeラーニングだけでなく、音声学習の導入も重要になっていることが判明した」と認知特性に応じた学習環境の導入の必要性を呼びかけた。
災害対策に「備蓄センター」を
引き続き、賀詞交歓会は開会にあたり、松本理事長があいさつに立ち「例年ですと〝新年明けましておめでとうございます〟と申し上げるところですが、能登半島地震と羽田空港事故で亡くなられた方のことを思いますと、まずは心よりご冥福をお祈り申し上げます」と哀悼の意を表した。
震災への対策を提案しては「関東大震災から100年、東日本大震災から12年ですが、震災は不可避な出来事で避けることができないが、避けられる部分もあるのではないかとも思う。東日本大震災の時は人工呼吸器が不足していて、輸入品はあったが国産品が圧倒的に少なかった。そこで1つの案として官民一体で医療機器の備蓄センターを作ったらどうか、と内閣府の会議等で提案したことがある。もし備蓄して余るようなら外務省と協力してODA関係で発展途上国に輸出したらどうか、と申し上げたが、なかなか実現せずに今回の能登半島地震が起きてしまった。避けられることは避けなければならないので、皆さま方と知恵を絞って考えていきたい」と述べた。
災害関連死の抑止へ安定供給を要請
このあと、来賓の武見敬三厚労大臣が「能登半島地震で尊い命を失われた方々に心よりお悔やみを申し上げ、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。今回、多くの医療機関が被災して、医療機器・器材が破損して使えなくなっているところもある。それらの保守・点検・修理のために、すでに皆さまにはご協力をいただいていると思いますので、御礼申し上げます」と謝意を示した。
また「今後、事態は長期化することが必至ですし、1番気を付けなくてはならないのは『災害関連死』で、熊本地震の時も亡くなられた方の8割は災害関連死で、災害関連死の抑止を進めなければならない。そこで医薬品同様に医療機器が必要になってくる。難しい状況下においても安定供給を業界の皆さまにお願いしたい」と協力を要請した。
次いで、古川俊治参議院議員、上川陽子外務大臣(メッセージ)、厚労省医政局大臣官房の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官、厚労省の城克文医薬局長、経済産業省医療・福祉機器産業室の渡辺信彦室長、日本医療機器学会の高階雅紀理事長――らが、それぞれの立場で来賓あいさつを行った。
ここで、髙橋治副理事長が『乾杯』の発声を行い、賀詞交歓会は開宴。参加者らはグラスを傾け合い、新年のあいさつと情報交換のうちに懇親を深めた。一時の歓談ののち、東竜一郎副理事長の『閉会の辞』で賀詞交歓会はお開きとなった。