技術・製品

中央材料室の生産性を向上へ【サクラ精機】

「ステリス社過酸化水素ガス低温滅菌装置」2機種を発売

「V―PRO maX2」

サクラ精機(社長=東竜一郎氏、東京都中央区)は、病院内で使用した医療器材を高速滅菌する米国ステリス社過酸化水素ガス滅菌装置V―PROシリーズから、大容量チャンバーを搭載した「V―PROmaX2」とコンパクトタイプの「V―PROs2」の2機種を発売した。

maX2は多くの医療器材を一度に滅菌できる136㍑の容量チャンバーと、16分の高速滅菌機能を合わせ持つ、中央材料室(CSSD)のすぐれた生産性を実現する滅菌装置となっている。

新たに搭載された「高速ノンルーメンサイクル」は従来のプログラムに比べ、滅菌時間を約12分短縮した。わずか16分で滅菌処理できるため、緊急時に必要な分だけ滅菌するといった使い方も可能にした。

高速ノンルーメンサイクルは滅菌剤の使用量が従来機に比べて2分の1になり、サイクル当たりのコストも削減された。

「V―PRO s2」

一方、s2は設置可能な幅が60㌢㍍と設置場所を選ばない省スペース設計なので、総合病院の手術室や日帰り手術を行うクリニックなどに導入しやすい製品となっている。

小型ながらmaX2と同等の処理能力を有し、内腔のない医療器具と、内腔あるステンレス製医療器具1.8㌔㌘を短時間(19分)で滅菌する。

両機種が採用している過酸化水素ガス(VHP)滅菌は、高濃度の過酸化水素の酸化作用によってタンパク質の構成成分であるアミノ酸のペプチド結合を断片化させることで微生物を死滅させる滅菌方法となる。

環境にもやさしい安全設計で、使用後の過酸化水素ガスは、触媒コンバーターによって水と酸素に分解されるほか、2重構造の滅菌剤カートリッジは過酸化水素の外部漏洩を防止する。

過酸化水素ガス滅菌は、チャンバー内に余分な水分があるとエラーの原因となるが、両機種の全サイクルに滅菌剤投入前のコンディショニング中に水分を確認する機能が備わっており、滅菌剤投入後のエラーが予防され滅菌剤を無駄にしてしまうことを未然に防ぐ。