技術・製品

ストーマ装具を目立せない【アルケア】

濡らさない入浴用シール

入浴用シール「バスラックシール」

アルケア(社長=伊藤克己氏、東京都墨田区)は、オストメイトの快適な入浴をサポートする入浴用シール「バスラックシール」を開発し、発売した。バスラックシールは人目を気にせずに温泉に浸かりたい、というオストメイトのニーズに応え、ストーマ装具を目立たせず、濡らさない入浴シールになる。

これまでオストメイトが自宅外で入浴する場合には「タオルでストーマ装具部分を隠すか、ミニパッドを使用するが、ストーマ装具用入浴シールは貼るとかえって目立つ」という課題があった。

そこでアルケアでは既存品の「入浴時にストーマ装具を濡らさない」という機能に加えて「ストーマ装具を目立たせない」というニーズに応えるため商品開発に着手した。

厚みのあるストーマ装具の上からシールを貼ると、凹凸が出て盛り上がった部分が目立ってしまうため、これを改善するため「錯視効果」に着目し、視覚情報処理研究で著名な東京大学大学院の四本裕子教授(当時、准教授)にストーマ装具を目立たせない錯視デザインの監修を依頼した。

ベージュの「まだら模様」を採用

シール表面の外観は、クレーター錯覚・ランダムドット・色平均化など複数の外観で実験検証し、ぼかし効果のある「まだら模様」が凹凸を最も目立たせない結果となった。これを踏まえバスラックシールの外観には「まだら模様」を採用した。

そのほか、バスラックシールの特徴としては、仮留めシール付きなので、貼付前にストーマ装具をコンパクトに固定でき、本体の貼り付けがしやすくなっている。また、テープの粘着面同士がくっつきにくい剥離紙の分割設計により、剥離紙を順にはがしていくことで、ストレスなく貼り付けることができる。

さらに、装具全体を覆って濡らさない防水機能により、装具を乾かす手間を減らせるほか、肌からはがす際に肌表面の角質がはがれにくい粘着剤を採用したことで、皮膚の動きに合わせて基材が伸縮し、肌への負担が少なくなっている。

バスラックシールのサイズは20㌢㍍×23㌢㍍。価格は4枚入りが2,200円、10枚入りが4,290円。

オストメイトについて
様々な病気や事故などにより、お腹に排泄のための「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)」を造設した人。