機能・利便性を向上【ホシザキ】
病院、福祉施設向け2製品モデルチェンジ
総合フードサービス機器メーカーのホシザキ(社長=小林靖浩氏、愛知県豊明市)は、病院や福祉施設、高齢者施設などで食事を提供する現場向けの「温冷配膳車」と「再加熱カート」をモデルチェンジし、10月下旬から順次、販売していく。
温冷配膳車のトレイには温冷の仕切りのあるもの(仕切りトレイ)と、ないもの(フラットトレイ)の2種類があり、フラットトレイは仕切りの制約がないためさまざまなメリットがある。具体的には提供できる食事の自由度が高まること、食器をどこでも配置でき載せやすいこと、重ねる際に左右を気にしなくても良いことなどがある。
このため、仕切りトレイからの切り替えが進んでいるが、一度に切り替えると一時的に導入コスト負荷が高くなることが課題となっていた。
モデルチェンジした温冷配膳車は「仕切りトレイ」と「フラットトレイ」を区別なく使える独自構造を採用した。収納時にトレイの温冷の室内を分ける「セパレーター」を改善し、一台でどの段でも仕切りトレイ、フラットトレイの両方が使用できるようにした。
また、電源タイマー機能により、指定の時間に自動的に予熱・予冷を開始する。前日に翌朝の食事のタイマーを設定することで、早朝作業を軽減する。
一方、再加熱カートは加湿機能を追加した加熱水蒸気循環方式を採用した。加熱水蒸気とは水が液体から気体に変化した100度Cを超える水蒸気を指し、同じ温度でも湿度が高いと熱量が大きくなる性質を利用することで、庫内での温度のバラつきを少なくした。
従来、調理した食事や完調品は、現場で温めて適温で提供される。カート内の食材は収納場所に関係なく可能な限り均一に温められることが理想となる。
さらに、ホシザキでは製品に最適な調理方法を提案できるスタッフを全国に有しているため、省力化に貢献する再加熱カート導入を検討している顧客に、製品と合わせて調理方法の提案を行い、購買につなげていく。
温冷配膳車は11月に発売予定で、価格は370万7,000円(税抜)。再加熱カートは10月の発売予定で、価格は747万6,000円(同)となっている。