技術・製品

血管形成術用カテーテル上市【ボストン・サイエンティフィックジャパン】

末梢動脈疾患の治療選択肢拡大へ

「ジェットストリームアテレクトミーシステム」の使用イメージ

ボストン・サイエンティフィックジャパン(社長=森川智之氏、東京都中野区)は、重度石灰化病変を有する下肢末梢動脈に用いるアテローム切除アブレーション式血管形成術用カテーテル「ジェットストリームアテレクトミーシステム(JETSTREAM)」を発売した。

同製品は浅大腿動脈や近位膝窩動脈において、重度石灰化病変を有し、薬剤塗布型バルーン治療の前拡張に使用する経皮的血管形成術用バルーンカテーテルが不通過または拡張困難な病変(ステント内を除く)に対し、固いアテローム塊や狭窄病変を除去することで、前拡張を容易にする目的で使用される。

コンソールからの電気エネルギーで、カテーテル先端部のディスタルカッターとエクスパンダブルブレードを回転させ、病変部の切削と破砕吸引を行う。

また、同製品は日本初のアテレクトミーデバイスとなり、重度石灰化病変などバルーン拡張などの治療を断念せざるを得なかった病変に対し、薬剤塗布型バルーン(DCB)と併用することで、重度石灰化病変に対する血管内治療が可能となる。

これにより、同社の下肢末梢血管治療用製品の「エルビア薬剤溶出型末梢血管用ステント」、「レンジャー薬剤コーティングバルーンカテーテル」に、今回の「JETSTREAM」が加わったことで、末梢動脈疾患(PAD)治療にさらなる選択肢をもたらし、市場への価値還元を行っていくことを目指す。

末梢動脈疾患は動脈硬化による足や手の血管の閉塞を特徴とする病状で、世界中で約2億人の患者が罹患していると推定されている。治療には運動療法と薬物療法が行われ、さらなる改善が必要な場合は、バルーンおよびバルーンカテーテル拡張またはステント留置が行われる。