【分析工と日科協】 「JASIS2017」盛大に
2万4634人が来場しにぎわう
日本分析機器工業会(会長=栗原権右衛門氏)と日本科学機器協会(会長=矢澤英人氏)は共催して、9月6日㈬から8日㈮の3日間を会期に、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、『未来発見』(Discover the Future)をキャッチフレーズに、分析・科学機器専門展示会「JASIS2017」を開催した。3日間で合計2万4634人が来場し、連日にわたりにぎわいをみせた。
JASIS2017の開会式は6日午前9時40分から、会場入口前で行われた。開会にあたり、あいさつした栗原会長は「JASIS2017は出展社数506社、小間数1478小間と過去最高の規模での開催となったほか、コンファレンスや新技術説明会なども約500セッションが企画され、各方面から高い評価をいただいている」と報告した。
また、新たな試みとしてウェブ版のJASISを立ち上げたことについて「新企画として『JASISウェブエキスポ2017』を、JASISの会期に先駆けて7月から、会期終了後の11月末まで開設する。初年度の今年はJASIS2017で開催される約500のセミナーや講演会の中から、30本程度をウェブで閲覧可能となる。来年以降は、これらセミナー群に加え、出展社がウェブ上にブースを出展できるよう拡充を図っていく。これまでの会期3日間、幕張というJASISから、150日間どこからでも出展、参加できる新しいJASISに発展していく」と、これまで以上に出展社のビジネスチャンス拡大に貢献していく考えを表明した。
最後に「JASIS2017はアジア最大級の分析・科学機器展示会として、さまざまな最新情報を発信していく。ご来場の皆さま方に実り多き展示会になりますよう、主催者一同全力を尽くしてまいります」と述べ、あいさつした。
過去最大規模に成長
「ライフサイエンスゾーン」を強化
次いで、矢澤会長は「本展示会はJASISに名称を改めてから今回で6回目となる。順調に成長を続け、今回は出展者数やイベントなど過去最大規模での開催となった。今後もJASISは最新の理化学機器や分析機器をはじめとする科学機器に関する技術、製品情報の発信拠点となる展示会として、さらにまい進するよう取り組んでいく」とし、関係各位に今後も変わらぬ支援と協力を求めた。
経済産業省が掲げる日本の産業がめざす新たなコンセプト『コネクテッドインダストリーズ』に言及しては「コネクテッドインダストリーズはさまざまなつながりにより、新たな付加価値が創出される産業社会をめざすもの。課題分野としては①スマートものづくり②自動走行③ロボット、ドローン④バイオ、ヘルスケア――の4分野の強化を挙げている。4分野の発展を支援するツールとして分析・科学機器は欠かせない」と解説した。
特に、バイオヘルスケア分野への取り組みにふれては「JASISでは4年前から展開している『ライフサイエンスイノベーションゾーン』を通じて、バイオヘルスケア分野への取り組みを強化している。紹介するさまざまな展示品や技術は我が国の産業発展を支援するものです。多くの方にご来場いただきたい。本日から3日間、出展企業と来場者にとって実りある展示会になることを祈念する」と語り、あいさつに代えた。
引き続き、来賓を代表して経済産業省の田中茂明大臣官房審議官が祝辞を述べたあと、主催者や来賓ら関係者6人が、テープカットを行い、JASISは開幕した。
開幕した展示会場には次々に多くの人が来場。来場者らは広い会場内を、それぞれが取り組む研究開発や生産技術の向上に、役立ちそうな分析・科学機器や技術を求め、各ブースを興味深く見て回っていた。出展各社は最新機器のデモンストレーションやプレゼンテーションを繰り広げ、積極的に自社製品の特長や優位性をアピールしていた。
注目のライフサイエンスイノベーションゾーンは『ライフサイエンス市場をリードする分析と計測の新世界~健康と医療の接点を探る』をキャッチフレーズに、約60社の企業・団体が出展。ゾーン内で代謝計測、蛋白質解析、遺伝子解析、細胞解析などにICT・人工知能を加えた先端分析技術や製品などを紹介した。基調講演28演題や出展企業プレゼンテーションも展開され、会期中に多くの来場者が訪れ、にぎわいをみせた。